国体会場で見つかった落とし物600点 思わぬ「レガシー」に署員困惑

宇都宮南署に届いた国体や障スポ関連の拾得物=21日午後、宇都宮南署

 「いちご一会とちぎ国体・とちぎ大会」のメイン会場だった栃木県総合運動公園を管轄する宇都宮南署に、会場で見つかった拾得物約600点の届け出が寄せられている。シューズや足に挟んで水泳の練習に使うプルブイ、ヨガマット-。今も署の倉庫に残されたままだ。熱戦が繰り広げられた大会の思わぬ“レガシー”(遺産)に署員は困惑している。

 カンセキスタジアムとちぎでは開閉会式や陸上競技、日環アリーナ栃木では水泳、ユウケイ武道館では柔道や剣道などが行われた。会期前競技が行われた9月中旬から両大会後の11月中旬まで、宇都宮市や県の運営事務局を通じて拾得物の届け出が続々とあった。

 内訳はボールペンや扇子などの小物が大半だが、シューズやプルブイ、ヨガマット、ストレッチポールといった運動用具も目立つ。観客が使った傘やクッションなども、同署の倉庫の一角を占拠している。

 同署が昨年受理した拾得物品数は約1万2千点で、約600点は20分の1となる計算だ。同署の担当者は「他のスポーツ大会に比べてもかなり多い」と驚いている。市の事務局によると、多くは氏名や連絡先が書かれておらず、虚偽申告防止のため、関係競技団体や選手団に問い合わせることができなかったという。

 同署によると、12月中旬までに引き取られたのは10件ほど。拾得物の受取期限は届け出から3カ月で、多くは来月までに期限を迎える。期限後は所有権が県に移り、売却か廃棄される。担当者は「心当たりがあれば問い合わせを」と呼びかけている。

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