南阿蘇鉄道が新車「MT-4000形」を導入 JR線直通乗り入れを考慮しATS-DK搭載

南阿蘇鉄道(本社:熊本県高森町)は2022年12月28日、MT-4000形新型気動車を導入したと発表しました。

南阿蘇鉄道高森線(立野~高森間17.7キロ)は2016年の熊本地震で被害を受け、現在も一部区間で運転を見合わせています。同社は2023年夏の全線復旧を見据え、外国人観光客の受入環境整備を目的として、今年11月下旬に新型車両を2両導入しました。

MT-4000形の特徴として、JR線直通乗り入れを考慮しATS-DK形運転保安装置を搭載しています(南阿蘇鉄道の運転保安装置はATS-SN型)。また半自動ドアシステムや車椅子スペースの確保など、バリアフリー対応や旅客利便性向上にも取り組んだ車両となっているそうです。

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車体デザイン

南阿蘇鉄道車体外観イメージ

車体の前面から側面に流れる青ラインは、南阿蘇鉄道沿線を流れる白川と沿線に点在する清らかな水源を象徴。緑のラインは車窓から望む雄大な阿蘇五岳の山並みをイメージしたものです。

MT-4000形ロゴデザイン

ロゴの「n」は「南鉄(なんてつ)」の頭文字であるとともに、阿蘇五岳とそれを囲う外輪山を表現。また10個の小さな楕円形を数珠つなぎにすることで、立野駅~高森駅までの10駅が熊本地震から復興し、つながったことを想起させます。

車窓から見える雄大な風景との調和をコンセプトとする内装

座席はロングシートで、着席時に視線正面に阿蘇の雄大な風景を臨みます。座席や床敷材は明度の低いものを採用し、外の景色をより一層引き立たせます。側壁や天井は明るい木目調とし、客室全体に開放感をもたらし、シンプルな調和にしたといいます。

乗務員訓練などは来年1月下旬から

南阿蘇鉄道によれば、今後、2023年1月以降に納車式などを行い、1月下旬から営業運転に向けた総合的な試験や乗務員訓練を行う予定ということです。

【画像】車両概要

形 式 : MT-4000形
最 大 長 : 17,970mm
最 大 幅 : 3,160.4mm
最 大 高 : 4,075.7mm
設計最高速度: 95km/h
定 員 : 115人(着席44人・立席71人)
自 重 : 31.5t
機 関 : SA6D125HE-2(350PS/2,000rpm)
変 速 機 : TACN-22-1631(変速1段・直結2段)

(画像:全て南阿蘇鉄道)

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