神奈川県警の特殊詐欺摘発最多 30代以下が74%占める 2022年1~11月

特殊詐欺の対策について鶴見署員と話し合う学生たち=20日、横浜商科大つるみキャンパス

 神奈川県警が認知した特殊詐欺の統計(暫定値)で、今年1~11月の被害総額が前年同期比約1.6倍となる約34億5400万円に達したことが、28日までに判明した。このうち還付金詐欺は同2.5倍に当たる約8億2500万円に拡大。摘発件数は過去最多の232人で、30代以下の若年層が約74%(172人)を占めた。県警は「末端を確保し、上位被疑者への突き上げ捜査を加速させる」と警戒を強めている。

 1~11月の被害件数は「おれおれ詐欺」と「還付金詐欺」が約75%を占めた。還付金詐欺の被害額が大幅に増えたほか、おれおれ詐欺も約1.8倍の約18億2900万円に膨らんだ。

 摘発者は232人(前年同期比42人増)で、このうち最多は20代の101人。20代未満71人、30代33人、40代19人、50代5人、60代が3人で、若年層が詐欺の担い手となっている実態を改めて浮き彫りにした。

 犯行形態は拠点に集まって電話をかける「拠点型」ではなく、指示役が匿名性の高いSNSを使って部下に指示を出す「リモート型」が目立つ。部下を捕まえても指示役まで結びつかないケースもあり、県警捜査2課は「これだけでの捜査は限界がある」と話す。

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