笠岡・六島灯台 光源をLED化 1世紀の歴史引き継ぎ安全見守り

新たに設置されたLED灯器(水島海上保安部提供)

 今月1日に点灯から100周年の節目を迎えた笠岡諸島・六島の灯台の光源が、ハロゲン電球からLED(発光ダイオード)に交換された。省電力で長寿命な新たな光源が歴史を引き継ぎ、瀬戸内海を行き交う船舶の安全を見守り続ける。

 六島灯台は、水島海上保安部が管理している航路標識の一つで、1922年に県で最初に設置された。夜間、水面から約70メートルの位置で3秒ごとに点滅する。

 これまでのハロゲン電球は光度1万4千カンデラで、光が届く距離は27キロ。黄色がかった光が特徴で、寿命は約千時間。ガラスでできたフレネルレンズの中に、予備を含めて二つの電球が設置されていた。

 新たに替わった灯器は30個のLEDで構成され、光度5600カンデラ。光は23キロ先まで届く。白色の光で、一般的に4~5万時間光ると7割ほどの明るさになるという。これまで半年に1回、取り換えが必要だったが、頻度を減らすことができるという。

 海上保安庁では、全国の灯台の光源を順次LEDに替えており、六島灯台は15日に作業を実施。同保安部管内にある21の灯台は全て光源がLEDになったという。取り外したフレネルレンズとハロゲン電球は、灯台内の展示室に飾っており、一般公開の際に見ることができる。

 同保安部の佐野和也次長は「灯光は新たなものになったが、これまでと変わらず船舶交通の安全を支え続けていきたい」と話している。

交換前のハロゲン電球(水島海上保安部提供)

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