外国にルーツをもつ児童の日本語支援教材の製品化へ 岐阜大学がクラウドファンディング開始

岐阜大学教育学部学校教育講座の今井亜湖教授は、クラウドファンディングサービス「READYFOR」にて、外国にルーツをもつ児童、特に日本語指導が必要な児童が授業に参加するための日本語が学べるカードゲーム教材の製品化を目指すために、クラウドファンディングプロジェクトを公開した。目標金額は120万円。2022年12月16日から2023年1月31日(火)PM11:00まで寄附を募る。

今井教授は、外国にルーツをもつ児童生徒、特に日本語指導を必要としている児童生徒の教育支援について研究しており、調査の中で、日本語を学ぶための教材や学校生活を送るための教材はあるが「授業への参加を支援する」ための教材がないことが分かった。

そこで、授業中、教師が多く使っている『動詞』を遊びながら学べる「いみあわせかあど」を開発した。「いみあわせかあど」で学ぶ対象は、1つの“読み”に対して2つの“意味”をもつ15個の動詞。子どもたちは「いみあわせかあど」の文章を読み、例えば、「先生が山田さんをさします」「時計の針が3時をさします」のように、その文章に使われている動詞の意味と同じ意味の動詞が使われている文章が書かれているカードを探す。正しい文章のペアを探し出し、カードをひっくり返すと正しい場合はその文章で使われる漢字、この場合は「指す」が現れるので、正解か不正解かわかる。

試作版を使った教師からは「(日本語指導が必要な児童にも)練習の仕方が分かりやすく、イラストもイメージをもちやすいため喜んで練習している」「一目で正解がわかるので、不正解だった場合は、もう一度自分でよく考えてやり直しできるのが良い」「休み時間にも進んで取り組んでいた」などの声が寄せられ、児童生徒や教員から高い評価を得られた。

しかし研究費では試作版の開発までしかできなかったため、クラウドファンディングを利用して、長く使える強度の高い「いみあわせかあど」を製作し、製品化を目指すことにした。

今回製品化する「いみあわせかあど」は、小学校低学年の授業に参加するために必要な日本語を学ぶカードゲーム教材だが、今井教授は、反響が大きければ小学校高学年向けの開発にも着手する考えだという。

参考:【岐阜大学】クラウドファンディング『外国にルーツを持つ児童が遊びながら学べる「いみあわせかあど」制作を』を開始

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