横浜の「なまむぎこども食堂」 地域寄り添い来春100回

「なまむぎこども食堂」ののぼりの前でほほえむ柳瀬正勝さん=横浜市鶴見区

 2018年から京急線生麦駅近くで営む「なまむぎこども食堂」が来年4月にも節目の100回目を迎える。地域住民の貧困や孤立を解決しようと、尽力してきた柳瀬正勝さん(87)=横浜市神奈川区=は「困っていることがあれば、何でも力を貸したい」。年齢や障害を問わず、誰でも来られる居場所づくりを目指している。

 12月中旬の寒空の下、柳瀬さんの額には汗が浮かんでいた。この日は地元の八百屋で買った野菜や寄付で届いたお米を事務所から生麦地域ケアプラザ(同鶴見区)に運ぶ作業に追われていた。段ボール15箱分の荷物を車に載せ、「1人でも多くの人に届けたい」と笑顔で汗を拭った。

 食堂は月に2回実施。ボランティアと協力して寄付金やフードバンクで食材を調達し、ケアプラザで調理して提供する。新型コロナウイルス感染拡大以降はテイクアウトでの提供が中心だが、利用者との関係はむしろ深まるばかりだ。

 食堂を利用する小学2年生の女児はボランティアにも参加。お弁当と一緒に渡すお菓子などの「お土産」を配っている。「自分にも何か出来ないかなと言われるのはうれしいし、助かっている」と柳瀬さん。利用者やボランティアら多くの人と知り合いになれたことが一番の喜びだ。

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