埼玉で買い物、年末年始おいくら 高くなりそうな商品、一方安めになる商品も ガソリン価格安定の理由

年末年始の県内生鮮食品価格動向

 埼玉県は主要食品と石油について年末年始の価格動向を発表した。水産物と果物、灯油は高めで、野菜はやや高め、ガソリンは前年並みとなる見通し。県消費生活課は「野菜や水産物はそれぞれの取れ高によりバラつきがあるが、総じて高めとなりそうだ。水産物では、たまたま今年はあまり取れなかったものもあるが、原油高が影響した可能性もある」との見通しを示した。

 県が11月22日~12月8日、県魚市場、浦和中央青果市場、県石油業協同組合に聞き取り調査し、分析した。

 調査によると、水産物で前年と比べ高くなりそうなのはブリ(養殖)、マグロ、エビ、タコ、すじこなど。アジ、サバ、イカ、タラバガニ、たらこなどに加え、おせち料理に欠かすことができないかまぼこやだて巻きも、やや高めと予測された。前年並みとなりそうなのは、カレイやイクラ、天然のブリとマダイ。マダラはやや安めとなる見込みという。

 果物はオレンジ、グレープフルーツ、レモンは高め、バナナはやや高めとなる見通しで、同課は「円安の影響を受けて、輸入品は高くなることが見込まれる」とした。対照的に、国内産が多いミカンはやや安め、カキは安めと予測された。イチゴとリンゴは前年並みとなる見通し。

 野菜は全般的に「やや安めからやや高め」と幅広いが、キュウリとゴボウは高めとなるという。「キュウリは生産コストが上昇し、ゴボウは天候不順により取れ高が低調だった」(同課)ことが影響した。ハクサイ、ダイコン、生シイタケ、三つ葉などはやや高めで、キャベツ、コマツナ、シュンギク、カボチャなどは前年並み。トマトやサツマイモはやや安めで、「出来高が良く、たくさん取れた」(同課)というタマネギ、サトイモ、レンコンは安めと見込まれた。

 ガソリンは前年並み。ロシアによるウクライナ侵攻などの影響を受けて原油価格は高騰したが、同課の担当者は「政府が激変緩和措置を行ったことでガソリン価格が安定している可能性がある」と話した。灯油については、原油価格高騰時に輸入し精製した在庫が積み増しされていることに加え、「これから寒さが厳しくなり、需要が高まることなど、不安定要素がある」(同課)ことが考慮された。

 ただし、ガソリンと灯油の両方について「在庫は十分に確保されている」として、同課は「買いだめなどをする必要はない」とした。

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