アレックス・カー氏が耳打ちする「本当は教えたくない祖谷の旅」 vol.1

東洋文化研究家、作家のアレックス・カー氏は、日本各地での古民家再生、コンサルティングなど幅広い活動を行っている。そんな氏が居を構え、第二の故郷として愛してやまない祖谷。三好市では、アレックス氏の「本当は教えたくない祖谷」を巡るツアーを企画。コロナ禍の影響で募集開始は未定となっているが、まずは動画で知られざる祖谷の魅力にふれてほしい。

「祖谷は30年代くらい前までほぼ独立国家のようで、一般的な日本からかけ離れた、または消え去った存在でした。祖谷渓・祖谷峡は日本のチベットみたいな所です」とアレックス氏。

たいていの人は、祖谷といえばかずら橋が浮かんでくる。それももちろん魅力だ。しかし、アレックス氏にとっての祖谷の魅力とは、もっと原始的、神秘的な部分だという。

例えば、山奥に佇む神社、苔むした古い墓、山肌にへばりつくように建つ茅葺きの家、そのなかで営まれる囲炉裏の生活……。

大歩危駅から約15分。西祖谷山村上吾橋にある五所神社の境内には樹齢1100年とも言われる大杉がある。主幹周12m、樹高45m、地上から約5mのあたりで幹が7つに分岐して天を指す風格ある樹形が特徴だ。

アレックス氏は愛おしむように幹にふれながら「まるでジュラシックモンスターのよう。古い杉ならではの魅力的な祖谷の遺産」と笑う。

アレックス氏がお気に入りの場所のひとつが有宮神社だ。

「崩れかけの古い石の積み重なった階段、それに苔が生(む)している雰囲気がなんとも言えない。“上代”(古代の日本)にもどった雰囲気だ。祖谷の山は傾斜が急なので、石階段の上に何があるのか見えない。ただただ階段が上にのぼっていくその神秘的な雰囲気が私の好きな祖谷です」と語る。

有宮神社の近くには、近世に祖谷を治めた祖谷八家のひとつ・徳善家の住宅もある。ここには、「伏墓」という珍しい遺構が残っている。

祖谷は平家の隠れ里と伝えられる。彼らは墓を建てる時、墓標の代わりに平らな石を置き、それとは分からないようにしたという。

千年の時を経て苔に覆われた墓石。人の手で造られたものと自然とが一体となっている、そこに祖谷の神秘を見るとアレックス氏は語る。

vol.2では、アレックス氏プロデュースの古民家を訪ねる。

アレックス・カー氏が語る祖谷の旅 動画リンク

【vol.2はこちら】
>>アレックス・カー氏が耳打ちする「本当は教えたくない祖谷の旅」 vol.2

三好市公式観光サイト【大歩危祖谷ナビ】

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