江戸時代から城下町に時を知らせてきた小田原城大手門跡の「鐘楼」(神奈川県小田原市本町)で「除夜の鐘」を突く催しが31日夜に行われる。
石垣の上に堂を建てられた鐘楼は「時の鐘」とも呼ばれる。300年以上にわたり小田原の町に時を告げてきたとされ、現在も朝夕6時に鐘を突く。鐘楼が建てられた時期は不明だが、少なくとも1686(貞享3)年の記録には存在するという。当時は浜手口御門にあったが、大正時代に現在の小田原地裁前の場所に移設。太平洋戦争で鐘を軍に供出し鐘突きの伝統も途絶えたが、戦後復活した。
大みそかの鐘突きは長らく続く年越しの風物詩。煩悩と同じ数の108回、市民の手で鐘を突いて煩悩を打ち払い、新年を迎える。
午後11時45分から先着108組が1回ずつ鐘を鳴らすことができ、参加したグループには開運根付をプレゼントする。同市担当者は「鐘を突いて新しい年を明るい気持ちで迎えてほしい」と呼びかけている。