「法改正案は政府介入」、日本学術会議が反対声明決議

政府が日本学術会議の会員選考に第三者を関与させる関連法改正を目指している問題で、日本学術会議は東京都内で総会を開き、独立性を侵害する政府介入だとして再考を求める声明を決議した。

日本学術会議によると、声明は政府の姿勢を「真に取り組むべき課題を見失った行為で、日本学術会議の独立性に照らして疑義があり、存在意義の根幹にかかわる」と批判し、法案の国会提出について再考するよう求めている。

総会では、内閣府の笹川武総合政策推進室長が口頭で政府方針について説明し、「法改正の施行後、3年と6年を節目に改革の進捗を検証して必要があれば、国から独立した機関とすることも再検討する」と述べた。

日本学術会議は1949年の設立。日本学術会議法で「独立して職務を行う」と規定され、選考委員会で推薦した会員候補者を政府が任命してきた。しかし、2020年に当時の菅義偉首相が6人の任命を拒否したのをきっかけに、政府と対立が続いている。

政府の方針は会員の選考過程を第三者委員会がチェックするという内容で、関連法の改正案を通常国会に提出するとしている。第三者機関の透明性確保や研究機関の改革案を研究者や国民との意見交換がないまま、政府と自民党だけでまとめたことに対する疑問や不満が日本学術会議の会員らから上がっていた。

参考:

【日本学術会議】第186回総会において「声明 内閣府「日本学術会議の在り方についての方針」(令和4年12月6日)について再考を求めます」を議決しました。

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