くらしきアーキツーリズム2022 参加レポート ~ 倉敷美観地区の魅力的な建物を見て歩く旅

倉敷美観地区といえば、白壁の蔵屋敷や川沿いに植えられた柳の美しい町並みが思い浮かびます。

モネの「睡蓮」が展示してある「大原美術館」、赤レンガにツタの絡まる明治時代の紡績工場を改装した、ガーデンウエディングとしても人気のある「倉敷アイビースクエア」なども有名。

倉敷美観地区の町並みのなかに、倉敷市出身の建築家 浦辺鎮太郎(うらべ しずたろう)さんが手がけた建物がいくつかあります。

町並みに調和した倉敷らしいモダニズム建築とは、どんな建物なのか気になりました。

くらしきアーキツーリズム2022に参加して、倉敷美観地区にある浦辺鎮太郎さんの魅力的な建物を見て歩く旅に出かけます。

くらしきアーキツーリズム2022とは

くらしきアーキツーリズム2022は「アートのまち倉敷」実行委員会事務局(倉敷市観光課)主催のイベントです。

開催期間:令和4年10月1日(土) ~ 令和5年1月31日(火)

旅の「おもいでファイル」500円(税込)限定300部を販売していましたが、好評につき完売しました。

浦辺鎮太郎さんが手がけた5つの建物をめぐって、2枚組の「たてものカード(無料)」を集めるカードラリーです。

5つの建物は以下のとおり。

  • 倉敷考古館
  • 大原美術館 分館
  • 倉敷国際ホテル
  • 倉敷公民館
  • 倉敷アイビースクエア

イベントに参加してみました

くらしきアーキツーリズム2022のイベントは好評で、倉敷館観光案内所、倉敷物語館、倉敷国際ホテルでの「おもいでファイル」の販売はすでに終了し、取材時に販売していたのは「倉敷アイビースクエア」のフロントのみでした。

倉敷アイビースクエアのフロントで「おもいでファイル」を購入。

「たてものカード」も一緒に渡してくれました。

「たてものカード」を裏返して並べると、かわいらしいイラストの「倉敷アイビースクエア」周辺の鳥瞰絵図が現れます。

鳥瞰図絵師の岡本直樹さんが描いた「倉敷鳥瞰絵図2005年版」の一部です。

実際の建物を見ながら鳥瞰絵図で確認するのも楽しい。

倉敷アイビースクエア

「倉敷アイビースクエア」の入り口からレストラン前の通路を見上げてみると、のこぎり屋根の歯の部分、紡績工場時代の三角形の構造骨組みがそのまま使われているのがわかります。

紡績工場からホテルに転換された「倉敷アイビースクエア」は、屋根瓦や木材は出来るだけ再利用しようと考えられ作られました

レストラン入り口の戸も吹きガラスの再利用で、ゆらゆらした温かみのあるガラスが入れられています。

不純物が入っているガラスといわれていますが、逆にこういった手に入らないガラスの方がめずらしく貴重なのでは。

倉敷公民館

倉敷公民館」の外観はどっしりとした、たたずまい。

白い壁とタイルの色が美観地区に馴染んでいます。

ガラスに透かして彫られた明治百年記念のシンボルマークは繊細で、建物の細かい部分まで、こだわりが感じられました。

優雅な内装がとても素敵です。

真鍮(しんちゅう)の手すり、ホールと天井と照明のモダンなデザイン、2階から3階に作られた吹き抜け

3階には「音楽図書室」があり、多くのレコード、CD、レーザーディスク、楽譜、音楽図書が収蔵されています。

クラシックを主体とした専門的な音楽の勉強ができるそうです。

倉敷考古館

倉敷美観地区の倉敷館(観光案内所)の倉敷川を挟んで向かいに「倉敷考古館」があります。

「倉敷考古館」の正面は、いかにも倉敷美観地区らしい蔵屋敷の風格です。

なまこ壁が美しい「倉敷考古館」南側の壁
「倉敷考古館」の増築部分は、浦辺鎮太郎さんが設計しています

増築部分との違和感がなく「新旧調和」がとれていますね。

「倉敷考古館」と増築部分をつなぐ壁は同じような色調のタイルが貼られています。

増築部分の白い壁の屋根に接するところは、アーチを描いていておしゃれです。

おわりに

白壁の蔵屋敷を眺めながら、楽しく散策しました。

カードを集めるゲーム感もあり、大人も子どもも楽しめるイベントです。

「大原美術館」や「倉敷アイビースクエア」など名前は知っていましたが、各建物を設計した浦辺鎮太郎さんの事は知りませんでした。

くらしきアーキツーリズム2022、倉敷市出身の建築家 浦辺鎮太郎さんの魅力的な建物を見て歩く旅。

浦辺鎮太郎さんが、倉敷美観地区の町並みの「新旧調和」を考えて手がけた建物に対する想いに、触れる旅になりました。

倉敷には、倉敷美観地区以外にも浦辺鎮太郎さんの手がけた建物があるそう。

浦辺鎮太郎さんの建物を巡る旅に出るのもいいですね。

もっと倉敷のことが知りたくなりました。

© 一般社団法人はれとこ