「静かな店もいいけど、活気のある明るい店で楽しく食事もしたい」。
そんなときってありませんか?
店員の威勢がよかったり、活発だったりすると、気持ちがよくてごはんもおいしいですよね。
実はJR福山駅の高架下「さんすて二番街」に、明るくて活気のあるラーメン店があるんです。
それが「八十吉ラーメン (やそきち-)」。
元気で活発な接客、明るく活気のある雰囲気づくりに力を入れています。
またラーメンのスープは化学調味料不使用。
自然素材を中心に長時間煮込んでつくりあげている、健康によいスープが売りです。
さらに八十吉ラーメンのルーツは、1975年(昭和50年)創業の焼鳥店。
だから、一品料理も豊富にラインナップしており、チョイ飲みも楽しめるのも特徴です。
八十吉ラーメンのこだわりや店の歴史を紐解いていきます。
福山駅の高架下「さんすて二番街」にあるラーメン店・八十吉
八十吉ラーメンは、福山駅の南出口のすぐそばにあります。
福山駅の高架下にならぶ「さんすて二番街」の一角です。
まさに”超・駅近”といえ、駅を利用するときに気軽に立ち寄れます。
八十吉ラーメンの扉を開けると、目の前にカウンター席。
ほかに店内には、広いテーブル席や座敷もあります。
八十吉ラーメンの店内に入ると「いらっしゃい!!」という店員の元気なかけ声が聞こえてきました。
活気のある雰囲気も、八十吉ラーメンの特徴です。
また午後11時45分まで入店できるので、遅くなったときの晩ごはんや、飲んだあとのシメなどでも利用できます。
八十吉ラーメンのメニュー
2022年(令和4年)12月時点の情報。 価格は消費税込
八十吉ラーメンのメニューは、とても豊富なラインナップです。
ラーメンは自慢の豚骨スープのラーメンが数種類ラインナップするほか、鶏ガラベースのラーメンや、野菜系・肉系・スパイシー系などアレンジ系のラーメンもあります。
さらにラーメンとサイドメニューの定食も豊富で、日替わり定食も人気です。
定食のラーメンは620円のラーメンがベースになっており、定食のラーメンを別のラーメンに変更する場合は、620円との差額が加算されます。
なお豚骨系のラーメンは、希望すれば無料でマー油を追加してもらえるうれしいサービスも。
そのほか、トッピングも豊富。
もちろん替玉も可能です。
さらに、中学生から大学生・専門学生は「学割」で単品ラーメンと定食(一部除く)が50円引きになります!
学割を受けるには、学生証の提示が必須です。
また八十吉ラーメンでは、一品料理やドリンク類が多数そろっているのも特徴。
「ネブトの唐揚げ」「ママカリ」「小イワシの天ぷら」など、郷土色のある料理もあります。
またメニュー表以外に店内の黒板に書かれた一品料理もあり、人気です。
お得な「チョイ飲みセット」(1,200円)も。
昼ごはんや晩ごはんにラーメンや定食を楽しめるほか、チョイ飲みができるのも八十吉ラーメンの魅力といえるでしょう。
なお卓上には豚骨ラーメンの定番である、紅ショウガや辛子高菜漬けも置いてあります。
人気・おすすめのメニュー
八十吉ラーメンの人気のメニュー、お店のおすすめメニューを紹介しましょう。
看板メニュー「福山八十吉ラーメン」は熊本風の豚骨ラーメン
「福山八十吉ラーメン」(650円)は、名前に店名を冠しているように八十吉ラーメンの看板メニューです。
福山八十吉ラーメンのスープは、八十吉自慢の豚骨スープ。
そして、豚骨スープにニンニク油とネギ油が入っているのが特徴です。
福山市内で熊本風のラーメンを出す店は少ないので、福山八十吉ラーメンは希少ではないでしょうか。
具材も豊富で、タップリのモヤシにキクラゲ、ネギ、チャーシューが2枚入り、上からゴマがかかります。
とても食べごたえがありそうなビジュアルです。
スープはまろやかな甘みのある豚骨の風味に、ニンニク油やネギ油の香ばしさやホロ苦さ、コッテリ感などが混じり合い、クセになるおいしい味わい。
これは、ついついスープを飲み進めてしまうおいしさです。
麺は、細麺を使っています。
細麺に豚骨スープとともにニンニク油・ネギ油が絡み、とてもおいしいです。
「福山(尾道)ラーメン」は尾道系の醤油ラーメン
「福山(尾道)ラーメン」(620円)も、人気の高いラーメン。
八十吉ラーメンはもともと豚骨系のラーメンがメインの店として営業していましたが、数年前より鶏ガラベースのラーメンも提供し始めたそうです。
スープは赤茶色をしていて、上にブタの背脂がたくさん浮いています。
まさに尾道ラーメンという感じです。
スープを飲むと、ほどよい甘味と塩味、醤油の風味と奥深い味わいで、とても飲みやすいです。
さらに背脂の甘味がときおり感じられて、大変おいしい。
背脂は、トロッとした舌触りでした。
麺は中細で、緩やかな縮れがあるタイプです。
尾道ラーメンといえば濃いめの醤油味の印象ですが、八十吉ラーメンの福山(尾道)ラーメンはやさしい味わいで食べやすい印象です。
「特製レバニラ炒め」は一品料理のなかで一番人気
八十吉ではおつまみ系などの一品料理も豊富にラインナップしています。
数ある一品料理のなかで、もっとも人気があるのが「特製レバニラ炒め」(520円)です。
とにかく八十吉ラーメンのレバニラ炒めは、ボリュームが満点!
一人だと、これだけでお腹がいっぱいになりそうです。
これで500円台とは信じられません。
驚きのコスト・パフォーマンス。
しかもレバーは一切れが大きめで、厚みがあるんです!
とても食べごたえがあり、レバー特有の味わいもシッカリ楽しめます。
さらに、レバー以外にも野菜がてんこ盛り盛り!
ニラはもちろん、タマネギやモヤシがたくさんで、栄養バランスもよさそうです。
そして味の決め手は、「わしのタレ」。
わしのタレは甘めの甘辛味で、レバーや野菜との相性抜群。
レバーの柔らかな食感と風味、野菜のシャキシャキ感や香ばしさとともに、非常にごはんが進みます。
もちろんビールやハイボールなどのドリンクも、ドンドン進むおいしさです。
ちなみに「特製肉ニラ炒め」(520円)も、レバニラ炒めと同じくらい人気があります。
肉ニラ炒めは、ブタレバーをブタのバラ肉に変えたもの。
レバーが苦手なかたが、肉ニラ炒めを選んでいるそうです。
「わしのタレ」を使用した一品料理は、レバニラ炒めや肉ニラ炒めのほかにも、「とり皮焼き」「豚バラ焼き」「なんこつ炒め」など、多数あります。
ぜひ、わしのタレを使った一品料理をいろいろと食べてみてください。
「焼ギョーザ」は皮にこだわりあり!
サイドメニューのなかでおすすめなのが「焼ギョーザ」(330円)です。
一皿に8個盛りつけられます。
ギョーザは片面がコンガリと焼かれて、キツネ色に。
“羽根”も付いていて、おいしそうです。
食べてみると、皮は薄めながら、フンワリとしながらモチモチとした食感もあります。
中は肉と野菜のバランスがよく、ジューシーです。
さらに、ニンニクの風味も適度に効いています。
また八十吉ラーメンのギョーザは、タレも独特です。
透明感のあるコハク色をし、トウガラシが浮いています。
甘酸っぱい味わいで、ほどよく辛さがありました。
ギョーザをサッパリと食べられます。
なおラーメンと焼ギョーザ、ライスのセット「ギョーザ定食」(790円)もあり、人気です。
また焼ギョーザのほかにも、「揚げギョーザ」(8個 330円)もあります。
ラーメン店ではめずらしい「山芋とろろ丼」も人気
サイドメニューのなかで人気があるのが、「山芋とろろ丼」(大 600円、小 470円)です。
単品の山芋とろろ丼には、味噌汁が付きます。
ラーメン店に山芋とろろ丼のようなメニューがあること自体、とてもめずらしいのではないでしょうか。
山芋とろろ丼は、ごはんの上に山芋のとろろがタップリとかかっています。
さらにその上からたくさんの刻み海苔、中央には卵黄。
とても食欲をそそります。
山芋とろろ丼の上から醤油をかけ、いただきます。
山芋の滑らかな舌触りと独特の味わいに醤油の風味が合い、さらに海苔の風味や黄身の味わいも加わって、ごはんが進みました。
山芋とろろ丼のあっさりとした味わいが、ラーメンと相性ピッタリです。
豊富なラーメンや定食、サイドメニュー、さらに魅力的な一品料理もたくさんでチョイ飲みも楽しい八十吉ラーメン。
運営する株式会社 ミヨシの代表・三次立人(みよし たつと)さんにインタビューをしました。
八十吉ラーメンの代表・三吉 立人さんへのインタビュー
豊富なラーメンや定食、サイドメニュー、さらに魅力的な一品料理もたくさんでチョイ飲みも楽しい八十吉ラーメン。
運営する株式会社 ミヨシの代表・三次立人(みよし たつと)さんに、開業の経緯、店を運営するうえでのこだわりなどの話を聞きました。
店の起源は1975年創業の焼鳥店
──開業の経緯を知りたい。
三吉(敬称略)──
店の歴史は、ラーメン店としてはだいたい30年弱です。
しかし前身となる店も含めると、1975年(昭和50年)にまで歴史をさかのぼります。
八十吉ラーメンの起源は、1975年に私の父が福山駅前の伏見町で開いた「Qちゃん」という焼鳥店です。
その後、Qちゃんは昭和町に移転。
さらに居酒屋やピザ屋など、さまざまな飲食店を運営するようになりました。
そして私は大学卒業後、父の会社で働くことになったんです。
ちょうどそのころ、父はラーメン店の開業を考えていました。
焼鳥屋や居酒屋と異なり、在庫をあまり抱えなくてすむラーメン店に魅力を感じていたようです。
またオープンする店は豚骨ラーメンの店を考えていたのですが、これは福山で人気の豚骨ラーメン店の影響があったと思います。
そして「ラーメンの味は自分がつくり上げる。おまえは豚骨ラーメンの本場の九州へ行って、オペレーションや店の運営方法などを学んでこい」といわれたんです。
私は一人暮らしをしたいという気持ちがあったので、喜んで九州に行くことにしました。
どうせ行くなら家族や親戚もいない地域がいいと思い、姉の住んでいる久留米のある福岡県は避け、熊本県に行くことにしたのです。
熊本県のラーメン店で働き始め、しばらく経ったころ、父からラーメン店のオープンの目途がたったので帰ってこいと福山に引き戻されました。
こうして1990年代半ばに、「九州ラーメン Qちゃん」というラーメン店をオープンしたんです。
場所は福山市東部の引野町、JR東福山駅の北のほうでした。
数度の移転を経て、1998年より現在地に
──現在の場所へ移ったのは?
三吉──
引野町から現在の場所になるまでは、いくつもの段階がありました。
まず開店から少し経ったころ、郊外から中心部の旧 繊維ビル(現在、アイネス福山があるところ)に移転します。
おかげさまで繊維ビルの店はお客様は多かったのですが、席数が少なかったのがデメリットでした。
そこで1990年代後半に、再び郊外に移転することにしたんです。
二度目の移転先は、千田町の国道182号線沿い。
このときに店名を、現在の「八十吉ラーメン」に変更しました。
千田町の店舗は内部が広く、駐車場もたくさんありましたので、土日など休みの日は1日500人くらいのお客様が来られていましたね。
とても忙しかったのを覚えています。
このころ福山駅のサントーク(さんすて福山の前身)で、系列の居酒屋「居酒屋 Qちゃん」を運営していました。
そんなときに、サントークを改装するという話が来たんです。
これを機に父は居酒屋 Qちゃんを閉め、代わりに千田町の八十吉ラーメンをサントークに移すことにしました。
こうして1998年に八十吉ラーメンが現在地に移り、いまに至ります。
──駅近なので、一見(いちげん)さんとかも多い?
三吉──
実は意外と常連さんが多いんですよ。
コロナ禍でもやっていけているのは、ひとえに常連さんのおかげです。
もちろん駅前という立地ですから、一見さんもけっこう多いですが。
──店名の由来は?
三吉──
私も父から詳しい話を聞いていません。
県外にあるお店の名前からいただいたというような話を聞いたことがありますが……。
なお「Qちゃん」という名前は、父がオープン前に修業した店の屋号を受け継いだものです。
開業時から今に至るまで試行錯誤をしている
──ラーメンづくりは、どのように習得した?
三吉──
すべて独学ですね。
さきほどの話のとおり、私が熊本県で学んだのはオペレーション面。
味は父が担当していたのですが、ラーメン開業目前になっても、なかなか納得のできるスープができない状況でした。
久留米にいる姉の紹介で久留米のラーメン店を見学したりして、なんとか形になったんです。
とはいっても、店がオープンしたあとも味に納得がいっているわけではなく、試行錯誤が続きました。
父も私もとにかくスタートさせて、運営しながら検証を繰り返して修正していくスタイルなので。
ただ、突き詰めていくと新たな課題が生まれるものです。
ですから、いまも試行錯誤は続いていますね。
──スープの材料にもこだわりがあるそうだが。
三吉──
当店のスープは、無化調で自然素材を中心に使っています。
毎朝6〜7時台より時間をかけて煮込み、スープをつくっているんです。
使っている骨は、約60キログラム。
正直、いつも同じような味を出すのは大変な作業です。
でもせっかくお金を出して食べていただくのですから、少しでも体によいラーメンにしたいですね。
いい店とは、いいお客様が集う店
──お店や料理のこだわりを教えてほしい。
三吉──
よく「ヒト・モノ・カネ」といわれますが、私は店を運営するうえで「ヒト」を一番大事にしています。
これがこだわりですね。
飲食店ですから、料理が一番大事という考えもわかります。
私も、料理を大事にしていないわけではありません。
しかしいくら料理がおいしくても、店のスタッフの態度だとか、人間関係だとかが悪くてはお客様をおもてなしできないですよね。
ですから私は、人をもっとも重視しています。
私の中で昔から決めていることが三つありまして、ひとつは「ヒト・モノ・カネ」の順番を間違えないこと。
まずヒトがあってモノ(料理)がつくれ、ヒトとモノがあってこそカネが生まれるという考え方を忘れないようにしています。
二つめは、継続をすること。
ラーメンづくりも最初はうまくいきましたが、試行錯誤を続けたので今があると思っています。
またラーメンづくりが最初うまくいかないときに助かったのが、居酒屋メニューなどの一品料理が充実していたことです。
これも、焼鳥店や居酒屋店を続けていたからできたこと。
結果として、豊富な一品料理は当店の強みのひとつになりました。
三つめは、お客様が訪れやすい雰囲気づくりをすることです。
あるかたから「いいお店は、いいお客さんが集う店」という話を聞いて、私も共感しました。
ですからお客様が訪れやすい雰囲気をつくることで、いいお客様が集う店を目指しています。
私はスタッフが活発で元気があり、お客様がにぎやかな店のほうが訪れやすいと思いますし、ラーメンなどの食事もおいしいと思います。
ですから、私やスタッフは元気で活発に仕事をするようにしているんです。
これからも元気で明るい活発な店づくりにこだわり、続けていきたいと思っています。
福山駅”超駅近”の立地と活気のある雰囲気が魅力の八十吉ラーメン
福山駅のさんすて二番街にあって、駅を利用したり駅前に来たりしたときにアクセスしやすい八十吉ラーメン。
さらに店主がこだわる、明るく活気のある雰囲気づくりで、入りやすいのも八十吉ラーメンの魅力です。
もちろん自然素材にこだわった体にやさしいラーメンもおいしいですし、豊富な一品料理をつまみにチョイ飲みするのもおすすめ。
ぜひ、八十吉ラーメンを訪れてみてください。