初詣客を出迎えるライトアップ、31日夜から文化財の寺で 輝く観音堂、荘厳な光に包まれ、よみがえる

ライトアップの試験点灯が行われた観音堂=27日、秩父市栃谷の四萬部寺

 埼玉県秩父市栃谷の秩父札所一番四萬部寺(しまぶじ・丹羽信哉住職)で31日夜、観音堂をライトアップして初詣客を出迎える。試験点灯が27日夜に行われ、観音堂は極楽浄土を思わせる荘厳な光に包まれた。

 同寺では50年ほど前から年越しの参拝客に甘酒などを振る舞ってきた。コロナ禍でおもてなしを自粛していたが、今年から一部を再開。皆野町在住のミュージシャンで照明オペレーターの新井政輝さんの協力を得て、観音堂のライトアップを行うことになった。

 照明は節電効果のある発光ダイオード(LED)電灯を5基を使い、赤や緑、青などに光が変化していく。さらにプロジェクターで上から下へ光が流れるように投影している。

 元禄10(1697)年に再建された観音堂は県指定有形文化財。丹羽住職は「今では建てられた頃の色はさめてしまったが、ライトアップで昔の姿がよみがえった感じがする。光り輝く観音堂にお参りして、皆さんには幸せになってほしい」と話していた。

 ライトアップは、31日午後5時ごろから深夜まで行われる。

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