全力サッカーでさらなる上を目指す 2023年もレノファ山口FCとともに!

 声出し応援の制限など、Jリーグの感染症対応ガイドラインに準じた試合開催となった2022年シーズン。現状に満足せず、常に新しいことにチャレンジする「共創」のスローガンのもと、J1昇格を目標に戦ったレノファ山口FCのJ2リーグでの戦績は、13勝11分18敗、勝ち点50で、22チーム中16位だった。順位こそ2021年より一つ落としたが、シーズン後半では今後の飛躍につながる動きも見られた。この特集では、J2昇格から7年目の昨季を10試合ごとに振り返るとともに、選手の個人成績、名塚善寛監督のコメント、吉岡雅和選手のコメントをお届けする。

1~10節(2月20日~4月17日)

 ホームでの開幕戦の相手は、2021年J3リーグで優勝し昇格したロアッソ熊本。雪が舞う中、4305人のサポーターが声援を送った。前半38分、新加入の#22生駒仁選手の先制で勢いに乗ったかと思われたが、後半に追いつかれ引き分けに終わった。第2節(ブラウブリッツ秋田戦)もホームでの戦い。#21関憲太郎選手の好セーブもあり、スコアレスで折り返すと後半5分、新加入で日本代表経験もある#33山瀬功治選手が先制ゴール。同14分には同じく新加入の大卒ルーキー、#19沼田駿也選手がプロ初ゴールとなる2 点目を決めた。シーズン初勝利を収め、勝ち点4、順位は4位に。 

 第4節(琉球FC戦)は逆転負けを許し、シーズン初黒星を喫した。その後も3引き分け、5試合連続無得点と、攻撃的サッカーで攻め込むも結果につながらず、3月は勝ち点8、順位は14位に。

 そろそろ勝利を、とホームで迎えた第8節(大宮アルディージャ戦)。後半26分、#19沼田選手が値千金の先制点を決めると、GKの#21関選手を始め、全員で1点を守り切り、6試合ぶりの白星を勝ち取った。第10節(東京ヴェルディ戦)ではシーズン最多得点の3得点で快勝。順位を8位まで上げた。

11~20節(4月23日~6月5日)

 アウェイで迎えた第11節(水戸ホーリーホック戦)は、#9岸田和人選手が先制点を決めたものの、ミスも重なり、2-3と逆転負けを喫した。第12節も敗れ、シーズン初の連敗に。

 連敗を止めたいと中2日のホームで迎えた第13節(栃木SC)。後半12分、#14橋本健人選手のゴールで勝利が見えたかと思ったが、アディショナルタイムに同点に追いつかれてしまう。しかし、選手もサポーターも諦めなかった。4分後、ゴール前での攻防を#18高木大輔選手が左足でシュート。“維新劇場”とも言える劇的な勝利で、土壇場で連敗を止めた。

 第14節(FC町田ゼルビア戦)は、試合開始早々に失点を許し、嫌な流れに。前半のアディショナルタイム、#33山瀬選手が同点弾を決めると、相手からボールを奪取した#20田中渉選手がそのまま持ち込みゴール。後半41分には#18高木選手がゴールを決め、シーズン初の連勝、逆転勝利を収めた。しかしその後は今季初の3連敗となり、順位も18位まで落とした。

 ホームでの第20節(ザスパクサツ群馬戦)。先制点を奪われるものの、PKを#10池上丈二選手がしっかりと決めて同点に。そしてアディショナルタイム終了間際に#19沼田選手が逆転ゴール。6試合ぶりの白星で連敗を止めた。

▲逆転ゴールで勝利(第20節)
21~30節(6月12日~7月30日)

 2敗、1勝を挟んだアウェイでのブラウブリッツ秋田戦。スタンドの一部区域で声出し応援ができるようになり、サポーターの応援が響く中、前半31分、#20田中選手が上げたクロスを#18高木選手が合わせて、11試合ぶりに先制点を挙げた。この1点を死守し、シーズン初のアウェイ勝利となった。しかしその後、レノファは勝利から遠ざかってしまう。

 チームでは、7月13日に水戸ホーリーホックから#32高井和馬選手(2018~2021に在籍)が完全移籍、8月11日に松本山雅FCから#15前貴之選手(2017~2019に在籍)が完全移籍。レノファでの経験も豊富な2人が再加入した。

 ホームでの第30節(モンテディオ山形戦)では、2020年の開幕戦以来、約2年半ぶりに声出し応援が可能に。サポーターの声援を後押しに攻め込むも、0-1と惜しくも敗れ、順位は変わらず17位のまま。

31~42節(8月13日~10月23日)

 雨の中迎えたホームでの第32節(水戸ホーリーホック戦)は、前半6分に#20田中選手が左足でロングシュートを見事に決めて先制。#15前選手の退場で数的不利な状況の中、貴重な1点を全員で守り切り、逃げ切りに成功。8試合ぶりにサポーターに勝利を届けることができた。

 第37節、アウェイでのFC琉戦ではスコアレスで前半が終了。後半29分に#8佐藤謙介選手が先制。GKの#21関選手の好セーブや体を張った守備陣の活躍で1点を守り切り、貴重な勝ち点3を得た。勝ち点は43、順位を14位まで上げ、J2残留へ前進。

 このまま連勝を、と臨んだ第38節(ザスパクサツ群馬戦)もアウェイ戦。前半13分に#池上選手が先制ゴールを決めると、レノファの猛攻が始まった。後半16分、28分、33分とわずか17分間で#32高井選手が3得点を決め、ハットトリックを達成。試合終了間際には#9岸田選手の追加得点も加わり、6-1と圧勝。攻撃的サッカーの体現でJ2昇格後最多得点を挙げ、勝ち点は46に。他試合の結果から、4試合を残してJ2残留が確定した。 このまま連勝を、と臨んだ第38節(ザスパクサツ群馬戦)もアウェイ戦。前半13分に#池上選手が先制ゴールを決めると、レノファの猛攻が始まった。後半16分、28分、33分とわずか17分間で#32高井選手が3得点を決め、ハットトリックを達成。試合終了間際には#9岸田選手の追加得点も加わり、6-1と圧勝。攻撃的サッカーの体現でJ2昇格後最多得点を挙げ、勝ち点は46に。他試合の結果から、4試合を残してJ2残留が確定した。

▲ザスパクサツ群馬戦でハットトリックを達成!(第38節)

 第41節は、過去11試合で一度も勝てたことのないV・ファーレン長崎戦。前半16分、CKからの流れで#20田中選手が先制。相手の猛攻を集中力を切らさず全員でしのぎ切り、対長崎戦での初勝利を手にした。

 最終節(第42節)はホームでのジェフユナイテッド千葉戦。前半8分に#20田中選手が先制点を決めたが、後半12分、同点に追いつかれると悪い流れに。勢いづいた相手に追加点を許し、7600人を超えるサポーターと共に勝利を喜ぶことはできなかった。試合終了後には、現役を引退する#6渡部博文選手と#2菊池光将選手の引退セレモニーも行われた。

▲ゴール前でボールを奪い合う(第42節)

◇ ◇ ◇

  シーズン序盤から「アウェイで勝てない」状況が続き、上位争いに加わることができなかった昨季のレノファ山口。J2残留が危ぶまれる苦しい時期もあったが、後半は若手の成長や補強の成果から、大量得点や未勝利だったチームから白星を挙げるなど、「攻撃的サッカー」の体現も見えた。

 2024年シーズンからはJ1からJ3のクラブ数が「20チーム制」になる。2023年シーズンは、J2からJ1に上がるチーム数が2から3に増えるため、絶好の昇格チャンスだ。昨季キャプテンを務め2022年12月に就任した渡部博文社長と、名塚善寛監督のもと、一歩一歩着実に歩みを進めるレノファ山口と、勝利を目指して躍動する選手たちに期待したい。

「前向きなサッカーで勝利にこだわる」 名塚 善寛監督にインタビュー

▲名塚善寛監督

 昨季の結果は16位でしたが、選手は常に前向きなプレーもメンタルも持ち続け、チームのために最後まで戦うことを表現してくれたので、次に繋がるシーズンだったと思います。勝てない時期もありましたが、選手・スタッフはブレずに闘ってくれたので、終盤は良い試合ができました。ただ、勝ち点の積み上げにはもっとチャンスの数を増やし、決め切ることが大事だと思います。

 今季は積み上げてきたものを更に深化させ、常にレノファらしく前向きなサッカーで1試合1試合、目の前の勝利にこだわり戦っていきます。

 昨季はしばらくできなかった声出し応援が再開されるなど、皆様の後押しを強く感じるシーズンでした。今季はスタジアムで共に喜びを爆発させられるよう全力で戦いますので、共に戦ってください! 変わらぬご声援をよろしくお願いいたします。

「レノファ山口のサッカー体現を目指す」  吉岡選手にインタビュー

▲吉岡雅和選手

 昨季は新しいサッカースタイル・ポジションへのチャレンジはできたが、「シーズン通して出場し、結果を出す」という目標に対しては、前線の選手としてゴールが取れず、納得する数字は出せませんでした。今季は自身の運動量とドリブルを生かし、ゴール・アシストといった目に見える結果とレノファ山口のサッカーの体現を目指します。

 影響を受けた選手は、山瀬功治選手です。体のケアや練習後のジョギング等、ピッチ外でも尊敬できるところが多く、「これぞプロ選手」と思います。僕もプロ選手として、どんな時も謙虚であることを大切にしたいです。

 サポーターの皆さんの声援で僕らは実力以上の力が出すことができます。昨季は声出し応援が増え、とても心強かったです。今季もぜひ維新へ足を運んでください! よろしくお願いします!

© 株式会社サンデー山口