相鉄本線に沿い西へ 横浜市の人口動態

 横浜市が発表した「人口動態調査」などにより、相鉄本線に沿って西へ西へと人口が移動していることが分かった。相鉄は「都内への乗り入れが予定されているため、西側で割安感が出ているのでは」と話している。

 相鉄本線は横浜から出発すると、横浜市西、保土ケ谷、旭、瀬谷区、大和、海老名市と駅が配置されている。2015年の調査では、西から保土ケ谷136人、保土ケ谷から旭122人、旭から瀬谷18人、瀬谷から大和143人がそれぞれ転出超過。大和から海老名への動きも含めて、ここ3年は同様の傾向という。

 危機感を募らせるのが瀬谷だ。15年は区全体で482人の社会減。その中心となった大和への流出要因を区地域振興課が分析した。20、30代がほぼ半数を占め、「子育てに適した間取りや価格のマンションが、大和市で多く供給、流通しているからではないか」と推測する。

 この動きを後押ししているとみられるのが、相鉄線が都心とつながる、JR線や東急線との相互直通だ。

 計画によると、「相鉄・JR直通線」は西谷駅(横浜市保土ケ谷区)から羽沢駅(仮称、神奈川区)までを結び、18年度内の運行開始を目指す。「相鉄・東急直通線」は、羽沢駅から東急東横線日吉駅までを結び、途中に新横浜駅(仮称、港北区)、新綱島駅(同)を設ける。19年4月の開業を予定している。

 「再開発が進む海老名には周辺から人が流入している」と相鉄。その上で、「西谷駅からJR線や東急東横線を経由し都内に行けるようになり、横浜市心部に比べ土地が安い西側で手ごろ感が出ているのでは」とみている。

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