敦賀駅、日本一高い駅舎から海と街を見渡す 2024年春開業、北陸新幹線の新駅舎紹介

整備が進む新幹線敦賀駅。駅舎からは海が見渡せる=福井県敦賀市内(福井新聞社ヘリから撮影)
奥井隆さん

 整備新幹線の駅では日本一の建物の高さとなる敦賀駅(福井県敦賀市)から見渡せるのは、鉄道と港のまち・敦賀の街並み。晴れた日には、敦賀湾の青と、敦賀半島の山々の緑が目にまぶしい。デザインコンセプト「空にうかぶ~自然に囲まれ、港を望む駅~」に沿った駅舎の完成が刻一刻と迫っている。

 駅舎の屋根までの高さは12階建てビルに相当する約37メートル。3階に新幹線ホーム、2階に乗り換えコンコース、1階に在来線特急ホームが整備される。

 終着駅であり出発駅ともなるホームは、床を船の甲板をイメージした木調タイルで仕上げる。待合室も船がモチーフだ。2階は広いコンコース空間にふさわしいスケール感となるよう、天井全体を北前船の帆をイメージした浮遊感のあるデザインに工夫している。

 駅西地区では新幹線開業から1年半ほど早い2022年9月、交流とにぎわい拠点「TSURUGA POLT SQUARE 『otta』」がオープンした。3カ月で来店者10万人となった公設書店「ちえなみき」に加え、海鮮丼やフィッシュバーガーなどの店が並ぶ飲食棟や芝生公園、嶺南地域初出店のスターバックスコーヒーなどが「敦賀のエキマエ」に一足先に新風を吹き込んでいる。

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◇まちづくり会長・奥井隆さんに聞く

 「開業200日前に近い敦賀まつりでは、戦国武将パレードを新たに加えたい」「高校生らを中心に、おもてなしマイスター制度を検討」「ご当地ヒーローの出演動画などをSNSで発信する」―。

 市内の官民32団体が機運醸成などを図る「新幹線敦賀開業まちづくり推進会議」(通称・オール敦賀!新幹線もりあげ隊)で準備しているメニューの数々だ。奥井隆会長(74)は「まさにオール敦賀のメンバーで、訪れる人を温かく迎えられる環境づくりに取り組んでいる」と話す。

 「新幹線は夢の事業。20年、30年、そして100年先に『あのとき頑張ってくれた』と思われるまちに」。100年後も見据えたまちづくりに挑んでいる。

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