大会屈指のストライカー福田…だけじゃない 高校サッカー・初戦突破の神村は1、2年もタレントぞろい

後半39分、神村・西丸(12)が勝ち越しのヘディングシュートを決める=等々力陸上競技場

 攻撃に絶対的な自信を持つ神村劇場が幕を開けた。変幻自在の攻撃で16本のシュートを放ち、前々回王者の山梨学院を3-2で撃破。開始直後に与えた先制点も、同点にされた場面も、演出だったかと思えるほど鮮やかに勝ち切った。それでも大迫主将は「まだまだ神村の力は出し切れてない」と振り返った。

 サイドや中央をどこからでも崩す、まさに波状攻撃だった。同点弾となる1点目は、ペナルティーエリア内に7人も入ってボランチ笠置がゴール。2点目は大会屈指のストライカー福田だ。MF大迫からピッチ中央で鋭い縦パスを受けると、くるりと反転。DFを背負いながらドリブル突破し左足でゴール、2-1とリードした。

 全国から注目される3年の大迫や福田はもちろん、相手の右サイドを攻略した1年名和田、2年吉永ら下級生も存在感を放った。

 PKを許し2-2で迎えた後半39分、名和田が送った柔らかいパスを2年西丸が頭で一撃。値千金の勝ち越し弾に「俺が救ってやるという強い気持ちが形になった」と喜んだ。

 ただ、初戦突破を喜ぶチームに有村圭一郎監督の姿はない。体調不良で準決勝以降に復帰できるという。指揮官の出番まで“タレント軍団”は暴れまくる。強烈なスター性を見せた福田は「自分が国立(競技場)に連れていく」と力を込めた。

前半、ゴール前に攻め込む神村・福田(右)=等々力陸上競技場
前半、シュートを放つ神村・大迫=等々力陸上競技場

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