AIカメラで商店街の通行量調査 岡山市、本格運用へ社会実証

岡山駅前商店街に設置されたAIカメラ。通行量とともに性別や年代を計測している

 岡山市は、人工知能(AI)搭載のカメラを使った歩行者通行量調査の社会実証を市中心部の3商店街で行っている。通行した人数とともに性別や年代を計測できる。1月末まで設置してAIカメラの有効性を検証するほか、取得データの活用方法を探り、4月以降の本格運用を目指す。

 対象は岡山駅前と表町(中之町エリア)、奉還町の3商店街。各1台のAIカメラを取り付け、今秋に社会実証を始めた。

 各商店街の日々の通行量はもちろん、性別や年代(0~19歳、20~70代、71歳以上の3区分)を計測、分析。データはいつでも市や商店街関係者が専用のアカウントで確認できる仕組みにしている。撮影した画像は計測後に自動的に削除され、保存されることはないという。

 最先端テクノロジーや斬新なアイデアで市が抱える課題を解決するとともに、提案した新興企業(スタートアップ)の成長も目指す市事業の一環。今回は「Intelligence(インテリジェンス) Design(デザイン)」(東京)から提案を受けた。

 市は1966年以降、商店街や中心市街地活性化の基礎資料とするため、隔年の3月に調査員を配置して通行量を調査。平日、休日1日ずつの2日間、59地点に120人前後を動員してきた。

 これに対しAIカメラは継続的に常時計測可能で、リアルタイムで分析データを閲覧できる。調査する人員を削減できるメリットもある。商店街恒例の大売り出し「大誓文払い」(昨年11月)でも稼働させ、大型イベント時の人の流れを確かめた。年末年始も使う。

 市産業振興・雇用推進課は「結果を分析し、商店街をはじめとする中心市街地の活性化につなげていきたい」としている。

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