【お正月】初詣 -今年もいい1年になりますように-

年末年始に日本を旅行すると、大晦日から元旦、三が日にかけて、神社やお寺に大行列ができているのを見ることがあるかもしれません。その人達は「初詣」をしています。

新しい年になって、初めて神社やお寺にお参りに行くことを「初詣(はつもうで)」と言います。「初」は初めて、「詣」は神社やお寺に行くという意味です。「初参り(はつまいり)」とも言います。

では、日本人は初詣で一体なにをしているのでしょう?
神社お寺に行ったら、まずお参りをします。神社では拝殿、お寺では本殿で。行列は、拝殿や本殿でお参りするための順番待ちをしているのです。

そこが神社かお寺か見分けがつかない場合は、鳥居と呼ばれる朱色のゲートがあったら、そこは神社です。お寺には山門という、建物のような門があります。

列に並ぶ前に、手水舎で手と口を清めておきましょう。

拝殿や本殿の前まで来たら、お賽銭を入れます。お賽銭は小額の小銭を入れる人が多いですが、中には「良いご縁がありますように」という意味を込めて、五円玉を入れる人もいます。「ご縁」と「五円」は発音が同じだからです。

神社のお参り作法は、「二拝・二拍手・一拝」が基本です。
お賽銭を入れ、上にある鈴を鳴らすために目の前に垂れ下がっている綱を振りましょう。
拝殿に向かって2度お辞儀をします。
次に2度、手を打ちます。その手を合わせたまま、願いごとをする人がほとんどです。
最後にもう1度お辞儀をします。

お寺では、手は鳴らしません。

お賽銭を入れ、神社の時と同様、鰐口や鐘があれば鳴らします。
本殿に向かって静かに手を合わせ、願いごとをします。
最後にお辞儀をしましょう。

お寺は、宗派によってお参りの仕方に違いがあります。ですが、多くの日本人はそれほど気にしていません。
やり方が分からない場合は、周りの人を見て真似してみましょう。

なにを願っているの?

初詣に限らず、神社やお寺にお参りする日本人は、願いごとをする人が多いです。
「仕事がうまくいきますように」「結婚できますように」「受験に通りますように」「元気な赤ちゃんを授かりますように」などとさまざまです。

初詣の時には、一年の最初ということもあって、去った年を無事に過ごせたことの感謝や、新しい年も健康に過ごせますように、といった願いごとをする人が多いようです。新年に新しい目標を立て、それが達成できますように、と願う人もいます。

新年の運試し!おみくじをひこう

神社にもお寺にも、たいていおみくじがあります。
おみくじは、神様や仏様、偉いお坊さんによる「導きの言葉」が書いてあるものです。

新しい年がどんな1年になるのか、またどんなことに気をつけたらいいのかの指針にするため、ひく人が多いです。

おみくじには「大吉」「中吉」「小吉」「末吉」「吉」「凶」というように全体の運勢を一言で表す言葉があります。

さらに、「願いごと」「待ち人」「失せ物」「旅立ち」「商い」「学問」「相場」「縁談」「転居」などの項目別に導きの言葉が書いてあります。

神田明神」や「浅草寺」には、英語のおみくじもあります。

末吉や凶など、あまり内容の良くないおみくじは、神社やお寺にあるおみくじ結びどころに結ぶ人がほとんどです。これは、良くないことを神社やお寺に預けて持って行ってもらう、という意味があります。

境内の木に結ぶ人がいますが、これは木を痛めてしまうので、専用の場所があればそこに結ぶようにしましょう。

もちろん、自分にとっていい内容のおみくじや、自分への戒めのために持っておこうという場合は持って帰っても構いません。

厄年をチェック

厄年を気にする日本人は多くいます。厄年というのは、人生の曲がり角を迎えることが多い年齢を「注意して過ごしなさい」という、日本に古くからある風習のことです。

男性は数え年で25歳、42歳、61歳、女性は数え年で19歳、33歳、37歳が厄年とされています(地域や宗派などによって異なる場合があります)。また、厄年の前後の歳をそれぞれ「前厄」「後厄」と言って、それぞれに注意が必要な時期だと言われています。

男性は42歳、女性は33歳が大厄と言って、特に注意が必要だとされます。その年に厄年になる人は、初詣の時に厄払いの祈祷をしてもらうこともあります。

神社やお寺には大抵、その年厄年を迎えるのはなん年生まれの人かを書いた一覧表があります。これを見れば、自分が厄年かそうでないかすぐわかるというわけです。

神社やお寺での厄払いの祈祷は、その場ですぐ受け付けてもらえることがほとんどなので、初詣で初めて自分が厄年だということに気付いた人が、ついでに厄払いもしていく、ということも多いです。

どうしても叶えたい願いごとがあるなら、絵馬

絵馬も、願いごとや感謝の意を表すためのものです。

絵が描かれた木の板に、願いごとや、願いごとが叶ったお礼などと一緒に住所と名前を書いて、決められたところに結びます。

絵馬に描いてある絵は、神社やお寺によってさまざまです。初詣のときには特に、その年の干支が描かれたものが多く見られます。ちなみに2023年は卯年(うさぎどし)なので、うさぎの絵が描かれた絵馬が登場することでしょう。

お守りやお札を買う

お守りお札は、神仏の力を分けて頂いて身近なところに持っているためのもので、年が変わると、お守りやお札を新しくする習慣があります。

お守りには「家内安全」「交通安全」「学業成就」「合格祈願」「安産守り」「身代わり守り」などいろいろな種類があります。自分の願いごとに合ったものを買いましょう。

この写真のようなところで売っています。最近は『キティちゃん』などのキャラクターが描かれたお守りもあります。

お札は家に置いておくためのものです。神棚仏壇がある家では、そこに納めておきます。そのほかにも、破魔矢というものもあります。良くないことを打ち砕き、一年の幸運を射止めるという意味で、家に置いておきます。

破魔矢もお札も、毎年かならず買う人がいる一方で、全く買ったことがないという人もいます。

初詣に行ってみよう!

これらのことを全てやる必要はありません。お参りだけして帰る、お参りとおみくじだけ、という人もたくさんいます。

初詣の時には着物を着る人もいますので、日本らしい光景を目にすることができるかもしれません。

大きくて有名なところだけでなく、小さな寺社でも初詣をする日本人を見ることができます。新年に神社やお寺の前を通りかかったら、ちょっと立ち寄ってみませんか。

日本のお正月限定の独特な雰囲気を感じてみましょう。

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※本記事は2014年12月に公開した情報を加筆修正したものです。
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