ダカールラリー2023開幕。アウディのエクストロームがプロローグ最速、1秒差でローブが続く

 2022年12月31日、2023年W2RC世界ラリーレイド選手権のオープニングラウンドとなる『ダカールラリー2023』が開幕。サウジアラビア西部、ヤンブー近郊のシーキャンプで“プロローグ”が行われ、アウディRS Q e-tron E2を駆るマティアス・エクストローム(チーム・アウディスポーツ)が総合トップタイムを記録した。

 4年連続でサウジアラビアが戦いの舞台となるダカールラリー2023は前年からルートが大きく変わり、紅海に面するシーキャンプから2週間掛けて同国東部に位置するペルシャ湾沿岸のダンマームへと至る、東西横断ルートとなっている。2022年大会からふたつ増え全14ステージとなった競技区間の総延長は4611km。リエゾン(移動区間)を含めた総走行距離は8529kmに上る。

 そんな第45回大会の開幕日となった31日(土)は、シーキャンプを発着点とする全長13kmのプロローグが実施された。このショートステージ・プログラムは翌日の2023年1月1日(日)にスタートするステージ1の出走順を決めるためのものだ。

 自身3度目のダカールラリー挑戦となるエクストロームは、この日出走した355台のマシンの中でもっとも速い8分ちょうどのタイムでプロローグステージを駆け抜けた。

「2022年のいい締めくくりになったが、明日からが本当のスタートだ」と語った44歳のスウェーデン人に続いたのは、前回大会総合2位となったセバスチャン・ローブ(バーレーン・レイド・エクストリーム)。エクストロームとWRC世界ラリー選手権の元9連覇王者のタイム差はわずか1秒だった。

12月31日に行われたプロローグでトップタイムを記録したマティアス・エクストローム(アウディRS Q e-tron E2) ダカールラリー2023

 ローブから10秒遅れの3番手にチーム・アウディスポーツのシリーズハイブリッド車をドライブするステファン・ペテランセルがつけ、2022年のダカールを制し初代W2RC王者にもなったナッサー・アル-アティヤ(TOYOTA GAZOO Racing)がそこから1秒差の4番手に。さらに、BRXハンターT1+を駆るゲラン・シシェリ(GCKモータースポーツ)、アウディのカルロス・サインツがそれぞれ1秒差で続いている。

 二輪部門も上位陣が僅差となっており、8分22秒のクラストップタイムを記録したトビー・プライス(レッドブル・KTMファクトリー・レーシング)と、2番手ダニエル・サンダース(レッドブル・GASGASファクトリー・レーシング)のギャップは1秒だ。

 また、部門トップと9秒差の8分31秒で3番手につけたロス・ブランチ(ヒーロー・モータースポーツ・チーム・ラリー)の後方には、ジョアン・バレーダ(モンスターエナジー・JBチーム)とケビン・ベナビデス(レッドブル・KTMファクトリー・レーシング)がブランチと同タイムで並んでいる。

 今大会、新型ランドクルーザーをデビューさせるチームランドクルーザー(TLC/トヨタ車体)は、三浦昂組が総合128番手、ロナルド・バソ組が総合129番手で最初のステージを終え、四輪市販車部門ワン・ツーで競技初日を迎えることとなった。一方、前回大会に続き日野600ハイブリッドでトラック部門にエントリーしている日野チーム・スガワラの菅原照仁組は出遅れ、部門最下位56番手に沈んでいる。

 1月1日(日)に行われる競技初日のステージ1は、プロローグと同じくシーキャンプをスタート/フィニッシュ地点とするループステージで全長は601km。競技区間は367kmとなっている。

トップと僅差の2番手タイムをマークしたセバスチャン・ローブ(BRXハンターT1+) ダカールラリー2023
ダカールラリー2連覇を狙うナッサー・アル-アティヤ(GRダカールハイラックスT1+) ダカールラリー2023
トビー・プライス、ダニエル・サンダースに続く3番手となったロス・ブランチ(ヒーロー450ラリー) ダカールラリー2023
二輪部門トップから9秒差の5番手タイムを記録したケビン・ベナビデス(KTM 450ラリー・ファクトリー)
日野チーム・スガワラの菅原照仁がドライブする日野600ハイブリッド ダカールラリー2023

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