4年に1度「春の政治決戦」 9選挙区、少数激戦か 【2023年とちぎ選挙展望】(上)

県議選・50議席に60人超出馬へ

 県議選は3月31日告示、4月9日投開票で行われる。定数50に対し、立候補予定者は60人以上となる見込みだ。現時点で16選挙区中、9選挙区で選挙戦が予想されている。前回選挙は64人が立候補し、10選挙区で選挙となった。現在、水面下で出馬を模索する動きが複数あり、今後立候補者が増えれば前回並みとなる可能性がある。前回同様、多くの選挙区で少数激戦となる見込みだ。

 現職44人(欠員6人)のうち、43人が立候補を予定。新人は17人、元職は3人の立候補が確実視されている。

 県議会最大会派のとちぎ自民党議員会は、現職27人全員が立候補を予定。自民は現在会派を離れている現職1人に加え、元職1人、新人3人の公認も決めた。公認候補者は最終的に三十数人となる見込みで、さらなる勢力拡大を狙う。自民県連幹部は「皆がしゃかりきに身を粉にして勝ちにいかなければいけない」と候補者にげきを飛ばす。

 立憲民主党など旧民進党系の民主市民クラブも、現職5人全員が立候補を表明。さらに新人4人が立候補を予定しており、立民県連幹部は「1強の自民党に対抗し、議会改革を進めるために1人でも多く擁立し全員当選させたい」と意気込む。最大の支持団体・連合栃木の支援を受け、改選前を上回る議席獲得を目指す。

 公明党は現職3人で引き続き全員の当選を狙う。前回、1議席を確保した共産党は別の2選挙区で1人ずつ擁立する計画だ。

 昨年10月に県内組織を設立した日本維新の会は、県都の宇都宮市・上三川町選挙区で新人を擁立する。県内にはまだ地方議員がいないが、一昨年の衆院選、昨年の参院選で県内の支持を広げており、今回の統一地方選を党勢拡大の足かがりにしたい考えだ。参政党も同選挙区で新人を擁立する。

県議選・選挙区別ポイント

 選挙区別で見ると、特に激戦が予想されるのが小山市・野木町(定数5)。現職4人に、3人以上の新人が立候補する見込みだ。

 さくら市・塩谷郡(定数2)は自民現職1人に、自民と立民の新人、無所属の元職各1人が立候補を予定。鹿沼市(定数3)は現職3人に対し、前回次点だった自民元職が再び挑み、前回と同じ構図になりそうだ。

 那須塩原市・那須町(定数4)は現職4人に立民の新人が挑戦する形。前回無投票だった那須烏山市・那珂川町(定数1)は、自民現職に新人が挑み、保守系の一騎打ちとなる公算。矢板市(定数1)も、いずれも保守系の現職と新人の一騎打ちとなる見込み。

 宇都宮市・上三川町(定数13)は現職12人に加え、立民系と日本維新の会、参政党の新人、無所属の元職が立候補を予定。前回無投票だった足利市(定数4)は、現職3人に新人2人が立候補する方向で、いずれも選挙戦になる見通し。佐野市(定数3)は現職2人に新人2人が挑む。

 前回選挙戦となった栃木市(定数4)、真岡市(定数2)では今回、無投票になる可能性がある。大田原市(定数2)、下野市(定数1)、芳賀郡(定数2)、壬生町(定数1)も前回同様、無投票の可能性が出ている。日光市(定数2)は選挙戦が濃厚だったが、立民新人が立候補を辞退したため、一転して無投票の可能性が出てきた。

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