ぶっちゃけ、ゴッホとかピカソって何がすごいの?漫画家が徹底解説

ゴッホの魅力を解説した漫画がSNS上で注目を浴びている。

「ぶっちゃけ、ゴッホとかピカソって何がすげぇーの?」とこの漫画を投稿したのは漫画家の沼野あおいさん(@numanoaoi)。

人気漫画家が解説するゴッホ、ピカソの魅力

20数ページに及ぶこの漫画では、ゴッホの人生や作風、美術史の中での位置づけがわかりやすく紹介されており、ひいては後世のピカソに与えた影響をも知ることができる。

漫画誌『ハルタ』で連載中の『ジラソウル ーゴッホの遥かなる道ー』(KADOKAWA)

現在、漫画誌『ハルタ』でゴッホ、ピカソを題材にした『ジラソウル -ゴッホの遥かなる道-』を連載中の沼野さんならではの身になるこの作品に対し、SNSユーザー達からは「耳を切り落としたのは知ってたけど 理由までは知らんかったかも」「今まであまり知ろうとしてこなかったゴッホの事を少し知れて良かったです。ちょっと涙でちゃった」「凄くわかりやすく読みやすかったです!絵画は好きなんですが、ぼんやりした知識しかない私にはピッタリの内容でした」など数々の称賛の声が寄せられている。

沼野さんにお話を聞いた。

近藤理菜(以下「近藤」): どのような経緯で今回ゴッホとピカソに着目されたのでしょうか?

沼野:元々ゴッホが好きで、いつか漫画の題材にしたいと思っていました。今、漫画誌『ハルタ』で連載中の『ジラソウル-ゴッホの遥かなる道-』の第一話目の元となるラフは元々読み切り用だったのですが担当編集者さんに見せたところ気に入ってくださり、三話目まで作り、さらに連載にしていこうと企画を立てていただきました。

第一巻発売前に少し時間ができたので宣伝のために一日使って作ったのがこの『ぶっちゃけ、ゴッホとかピカソって何がすげぇーの?」です。絵画って、何の情報もなく見る人がイノセントに魅力を感じるならそれでよくて、でも「絵画って何がスゴいのかわからないから、誰かわかりやすく教えてよ!」って意見を抱えてる人が世の中いっぱいいると思うんです。

そしたらじゃあ、画家の人生や絵画史を知ってもらうのが良いと思うんですが、一から順に絵画史を教えつつ画家の人生も解説していたら説明過多で「ゴッホやピカソはいつ登場するの?」ってなっちゃうので、まずは魅力が分かりやすい画家個人や、近代絵画史の面白い所だけをざっくり知ってもらって、それを入り口にして絵画史には文脈があって画家同士の関係性があって……という風に少しずつカードを集めていくように知っていくのがベストだと思い、自分が絵画に興味を持った体験をそのまま辿るようなものを目指しました。『ジラソウル』も絵画を知らない人にこそ読んでもらって、これを入り口に興味を持ったとこをつまみ食いしながら色んな絵の魅力に触れてほしいなと思っています。

近藤:沼野さんが思う、ピカソとゴッホの魅力はなんですか?

沼野:ゴッホの絵はやっぱり存在感がすごくて、技術とかを超越したところに魅力がありますね。彼の人生を知ると、より「彼は一体どんな気持ちでこの絵を描いていたんだろう」と考えさせてくれます。

ピカソは大昔から続いた絵画の在り方をキュビズムによって破壊した事が最大の功績なんですが、その動機が「子供みたいな絵を描けるようになりたいから」って気持ちからなのがすごくグッときます。キュビズム自体はちょっと難しい理屈の画法なんですが、その辺も『ジラソウル』を読んでいただければある程度分かるようになっています。

近藤:これまでの反響やコメントについてご感想をお聞かせください。

沼野:このツイートをきっかけにゴッホや絵画に興味を持ってくださった方々や、『ジラソウル』を購入してくださった方々が沢山いてとても嬉しいです。みんな気軽に絵画を楽しもう!

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ゴッホとピカソの名前は知っているけど何がすごいのかまでは説明できないという人は多いと思う。思い当たる方は是非、沼野さんの作品に目を通してその魅力の神髄に迫っていただきたい。

漫画家沼野あおいさん関連情報

Twitterアカウント:https://twitter.com/numanoaoi

KADOKAWAの漫画誌ハルタで『ジラソウル-ゴッホの遥かなる道-』連載中:https://www.amazon.co.jp/dp/404737184X?ref_=cm_sw_r_apin_dp_VCQZYDWA6QZZCSKQNK14

(よろず〜ニュース特約・近藤 理菜)

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