ダカールラリー、トヨタのアル-アティヤが2日目最速。首位サインツとの差を詰め2番手に浮上

 1月2日、W2RC世界ラリーレイド選手権第1戦『ダカールラリー2023』のステージ2が行われ、GRダカールハイラックスT1+をドライブするナッサー・アル-アティヤ(TOYOTA GAZOO Racing)がステージ優勝を飾った。総合首位は60歳のカルロス・サインツ(チーム・アウディスポーツ)。アル-アティヤが総合2番手につけた。

 4年連続でサウジアラビアが舞台となっている第45回ダカールラリーは2日(月)に競技2日目を迎えた。この日は、ラリーのスタート地となったシーキャンプのビバークを後にし、進路を東にアル・ウラーへと至るトータル589km、SS距離430kmの戦いに。

 2022年大会のウイナーであるアル-アティヤは、同ステージを6番手からスタートし一時はライバルに対して6分ほど後れを取ったが、ステージ終盤にかけて挽回。ステージ2の大部分をリードしたエリック・ファン・ルーン(オーバードライブ・レーシング)を最終盤に逆転し、2日目のステージウイナーとなっている。

 この結果、“砂漠の王”ことアル-アティヤは総合順位を6番手から2番手に上げ、ステージ3番手タイムを記録した首位サインツとのギャップを5分31秒縮めて2分12秒差としている。ステージ2を4番手で走破し、総合3番手に順位を上げたマシュー・セラドリ(センチュリー・レーシング・ファクトリーチーム)とサインツのタイム差は24分55秒だ。

「今日はパンクが1回あっただけで、それ以上の問題はなかったから満足している。マシュー(・ボーメル/コドライバー)は本当にいい仕事をしてくれた」と語ったディフェンディングチャンピオンが好走を見せた一方、総合2番手につけていたセバスチャン・ローブ(バーレーン・レイド・エクストリーム)をはじめ、上位に並んでいたゲラン・シシェリ(GCKモータースポーツ)、オーランド・テラノバ(バーレーン・レイド・エクストリーム)のBRXハンターT1+勢はそれぞれ3回のパンクチャーに見舞われ、大幅にタイムを失ってしまう。

 また、チーム・アウディスポーツのステファン・ペテランセル、マティアス・エクストロームも複数回のタイヤトラブルによって後れを取っている。

 二輪部門はダカールラリー挑戦2年目のメイソン・クライン(BASワールド・KTMレーシングチーム)が自身初のステージ優勝を達成。この21歳のアメリカ人ライダーは総合順位でもトップに浮上し、1分41秒差で総合2番手につけるトビー・プライス(レッドブル・KTMファクトリー・レーシング)や、ジョアン・バレーダ(モンスターエナジー・JBチーム)、ケビン・ベナビデス(レッドブル・KTMファクトリー・レーシング)といった有力選手たちを後方に従えている。

 日本勢では、日野600ハイブリッドでトラック部門に挑む菅原照仁(日野チーム・スガワラ)がステージ11番手タイムを記録し、部門総合順位を前日の15番手から12番手に上げてみせた。新型ランドクルーザー・GRスポーツで参戦しているチームランドクルーザー(TLC)は、最初のステージで転倒を喫した三浦昂がステージ2を84番手で走破。140番手だった総合順位を129番手としている。

 競技3日目、1月3日(火)に実施されるステージ3は、アル・ウラーからハイルへ移動する669.15kmの道中に設定された全長447kmのスペシャルステージが戦いの舞台となる。

セバスチャン・ローブ(BRXハンターT1+)は総合2番手から一転、計3回のパンクによって1時間以上のタイムを失い総合31番手まで順位を落とした
ステージ2終了時点で総合首位に立っているカルロス・サインツ(アウディRS Q e-tron E2) ダカールラリー2023
総合2番手に浮上したナッサー・アル-アティヤ(GRダカールハイラックスT1+) ダカールラリー2023
自身初のステージウインを飾った21歳のメイソン・クライン(KTM 450ラリー・ファクトリー) ダカールラリー2023
二輪部門の総合2番手につけているトビー・プライス(KTM 450ラリー・ファクトリー) ダカールラリー2023
日野チーム・スガワラの菅原照仁(日野600ハイブリッド) ダカールラリー2023

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