ウサギ尽くし?! 秩父の兎田ワイナリー、干支にちなんだ新商品 ロゼと赤を限定販売 ラベルも鮮やかに

「秩父ロゼ・にごり・干支ラベル『卯』」と「秩父ルージュ2020年・秩父銘仙ラベル」を紹介する秩父ファーマーズファクトリーの深田和彦社長=埼玉県秩父市下吉田の兎田ワイナリー

 埼玉県秩父市下吉田の秩父ファーマーズファクトリー兎田ワイナリーが、今年の干支(えと)にちなんだ新酒「秩父ロゼ・にごり・干支ラベル『卯』」と、ウイスキー樽(たる)熟成赤ワイン「秩父ルージュ2020年・秩父銘仙ラベル」の限定販売を始めた。「地域に根付いたワイン造り」を目指し、2015年に醸造をスタート。ワイナリー名の「兎田(うさぎだ)」は、地元住民に親しみのある旧住所「吉田町下吉田兎田」から付けた。深田和彦社長(67)は「今年も自社ならではの新商品を開発し、地域活性化を後押ししていく」と、縁が深い新年ウサギ年に向けて意気込んでいる。

 秩父ロゼは、約2ヘクタールの自社畑で収穫したマスカット・ベリーAと、市内のブドウを使用した新酒のにごりロゼワイン。秩父ルージュは、同市釜の上地区で採れたマスカット・ベリーAを赤ワインにし、ウイスキー熟成後の樽で1年間熟成させたのち、ミズナラ材をローストして浸漬(しんせき)した。

 深田社長は「秩父ロゼは、コクがありつつもフレッシュでフルーティーな味わいなので、お酒が弱い方でも飲みやすい。秩父ルージュは、ウイスキー樽由来のタンニンやコク、奥ゆかしい甘みが特徴で、複雑な味わいが楽しめる」とすすめる。

 ワインラベルは、秩父地域の年明けにふさわしい豪華な秩父銘仙柄。秩父のシンボル武甲山からのぞく月の前で、1匹たたずむウサギが映える。秩父ロゼは「卯」を印字し華やかに、秩父ルージュはダーク系の配色で上質さを際立たせた。

 同社は、年間約5万本のワインを生産。「秩父ルージュ2019・兎雪(YUKI)」が県新商品アワード2020で大賞を受賞するなど、これまで数々の賞を獲得した。21年からは市内の福祉事業者と協業し、「農福連携」のワイン販売を開始。地域完結型のワイン造りに注力している。

 「秩父は昼夜の気温差が激しく、夜の気温が低くなるとブドウの糖度が高まって着色もよくなるので、ワイン用ブドウの栽培に最適」と深田社長。ウサギ年の今年は「若い人材が中心となり、スパークリングワインの商品開発を進めていく」と語った。

 新商品の秩父ロゼは2400円(税抜き)で1500本限定。秩父ルージュ2020年は5400円(同)で600本限定。兎田ワイナリー直営ショップや、秩父地域の酒販店、県内の一部店舗などで販売している。

 問い合わせは、同社(電話0494.26.7173)へ。

© 株式会社埼玉新聞社