選挙区1減、ベテラン議員ら複数引退予定も…埼玉県議選、4月9日投開票 焦点は自民の勢力維持

埼玉県議選、自民の勢力維持焦点に

 今春の埼玉県議選は、統一地方選前半の4月9日に投開票され、現行の52から1減の51選挙区、現在と同じ93議席を巡って争われる。前回2019年は129人が立候補し、過去最多の22区32人が無投票当選した。県議会最大会派の自民が勢力を維持あるいは拡大するか、ここに他党派がどう食い込むかが注目される。

 県議会最大会派で現在、過半数の49議席を占める自民はこれまでに現職44人、新人13人、元職1人の計58人の公認、推薦を発表している。51選挙区中、南17区(志木市)、南18区(新座市)、南22区(和光市)を除く48選挙区で候補を擁立する予定。南10区(さいたま市南区)、西4区(狭山市)、西11区(鶴ケ島市)ではベテラン議員が引退する予定のほか、南19区(蕨市)では現職が市長選への出馬を表明しており、いずれの選挙区も新人候補予定者の公認が発表されている。

 公明は昨年9月の党中央幹事会で9人の公認を決定。現有9議席のうち、南13区(上尾市、伊奈町)、西1区(所沢市)では現職が勇退の見込みで、両選挙区で後継となる新人の擁立が予定されている。

 立憲民主はこれまでに現職5人、新人6人計11人の公認を発表。県議会会派の埼玉民主フォーラム(民主フォーラム)の8人のうち、5人が立民所属で、いずれも再選を目指す。同会派所属の1人が東8区(越谷市)で引退する見込みで、後継は立民公認での出馬を予定している。

 共産は現有6議席中、4人が引退の意向を示し、現職2人、新人7人の計9人を擁立する。県委員会は議案提案ができる8人を目標に、全員当選を目指すとしている。

 日本維新の会は南2区(川口市)、西7区(川越市)、東8区で新人を擁立する見込み。ほか複数人区でも候補者擁立を目指しており、県議会初の議席獲得を狙う。れいわ新選組は南2区で公認候補予定者1人を発表し、県内政界に新たな党の足掛かりを築きたい考え。

 無所属議員による会派の無所属県民会議(県民)には現在、11人の議員が所属し、10人が再選を目指す。南21区(朝霞市)ではベテランが引退意向を示しており、後継者の名前も挙がる。また、県議会1人会派の1人と、会派に属さない無所属議員の計3人がそれぞれ再選を目指す。

 国民民主はこれまでに公認候補予定者を発表していない。前知事の上田清司参院議員は複数の無所属候補を応援する意向。社民はこれまで公認候補の発表はなく、現職1人を推薦する予定としている。

 今春の県議選では現在の北2区(定数1=横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町、東秩父村)で公選法に定められた区域内人口を下回ったことから、選挙区の区割りを見直す条例案が県議会12月定例会で可決された。これまでの北1区(定数1=秩父市)と北2区が合区され、定数2の新たな北1区となる。

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