前回の高校サッカー選手権では決勝で青森山田に完敗したものの、歴代最高成績の準優勝という結果を収めた大津高校。
熊本の公立校ながらこれまで何人もの日本代表選手を輩出してきたことで知られる。
そこで、今回は大津高校出身の選手たちでベストイレブンを選んでみた。
GK:土肥洋一
1991年度卒
熊本市出身。ジーコ監督時代に日本代表へ定着し、2006年ドイツワールドカップのメンバーにも選出された土肥。
大津高卒業後、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の企画で日立製作所(のちの柏レイソル)と契約し、2000年に加入したFC東京で長く守護神として活躍した。
現在はレノファ山口FCでGKコーチを務めている。
DF:野田裕喜
2015年度卒
上益城郡益城町出身。高校2年次から地元のロアッソ熊本に特別指定で登録され、J2の試合にも出場していたという驚異的なキャリアを持つDF。
規格外といえるフィジカル能力を当時から有名で、現在主力として活躍するモンテディオ山形でも体つきの良さがひときわ目立つ。
J1から熱い視線を送られているはずだが、契約を更新して山形のファン・サポーターを安心させた。
DF:植田直通
2012年度卒
宇土市出身。鹿島アントラーズで「常勝」の歴史を築いてきたセンターバックの系譜に名を連ねる28歳。
テコンドーで中学日本一に輝いた異色のキャリアを持ちながら、サッカーを選択し地元の強豪校である大津へ。1年生でレギュラーを掴むなど高校時代から将来を嘱望された。
欧州へ渡り2大会連続のワールドカップ出場を目指したが実現できず、2023シーズンの鹿島復帰を決断した。
DF:谷口彰悟
2009年度卒
熊本市出身。カタールワールドカップで国内組ながら圧巻のパフォーマンスを見せたセンターバック。
高校時代はボランチで、筑波大学で当時の風間八宏監督のもとセンターバックに転向。その後ボランチに戻ったがプロでは再びセンターバックが主戦場となり、ここ5シーズンで4度Jリーグベストイレブンに輝いている。
2022シーズン限りで9年間過ごした川崎フロンターレを退団。カタールのアル・ラーヤンと契約した。
DF:黒木晃平
2007年度卒
菊池郡大津町出身。J1昇格へあと一歩まで迫ったロアッソ熊本の大黒柱の一人。
地元の大津高校を卒業後に佐賀へわたり、佐賀大学を経て2012年にサガン鳥栖へ加入。しかし翌年熊本へ帰還し、現在では最終ラインで欠かせない存在となっている。
2022シーズンは4年ぶりのJ2で41試合に出場。プロ11年目の今年も熊本でプレーする。
DF:車屋紳太郎
2010年度卒
熊本市出身。1歳年上で幼馴染の谷口彰悟とは、小学校、中学校、高校、大学、そしてプロでの所属先もすべて同じというストーカー的DF。
持ち味のスピードを生かした対人守備を得意とし、所属の川崎フロンターレでは近年センターバックで谷口やジェジエウとポジションを争ってきた。
その谷口が移籍した新シーズン、どのようなパフォーマンスを見せるか注目される。
MF:河原創
2015年度卒
山鹿市出身。野田裕喜、一美和成とは同級生。
高卒でガンバ大阪へ加入した2人に対し、河原は福岡大学で研鑽を積んでから地元のロアッソ熊本でプロ入り。2年目の2021シーズンから大木武監督のもとキャプテンを務め、チームの心臓として機能した。
チームでただ一人全試合フル出場した2022シーズンはJ1昇格にあと一歩届かず。この冬、サガン鳥栖への移籍を決断した。
MF:田中英雄
2000年度卒
宇城市出身。ヴィッセル神戸で長く活躍し、サポーターからの人気も高かったダイナモ系MF。
攻撃では精力的なランニングでパスコースを作り、守備では執拗なチェックと的確なカバーリングでピンチを未然に防ぐ。チームに対する貢献度は絶大で「スタメン復帰率」が非常に高い選手だった。
2019年から4年間FCティアモ枚方でプレーしてきたが、2022シーズンをもって現役を引退した。
FW:豊川雄太
2012年度卒
熊本市出身。同い年の植田直通とともに高卒で鹿島アントラーズへ加入。
2016年に期限付き移籍したファジアーノ岡山で飛躍のきっかけを掴むと、2018年にベルギーへ渡りオイペンで「奇跡の残留」を成し遂げ一躍ヒーローとなった。
Qolyが昨年インタビューした京都サンガF.C.でも、J1参入プレーオフ決定戦でロアッソ熊本相手に貴重なゴールを決めJ1残留へ導いている。
FW:一美和成
2015年度卒
八代市出身。同い年の野田裕喜と高校時代にロアッソ熊本から特別指定され、卒業後はともにガンバ大阪へ加入。
大津らしい身体にムリが効くタイプのストライカーは、京都サンガF.C.へ期限付き移籍した2019シーズンにJ2で17ゴールを記録している。
今年、4年ぶりに京都へ戻り、2023シーズンは先輩・豊川雄太と一緒にプレーすることになった。
FW:巻誠一郎
1998年度卒
下益城郡小川町出身。大津高卒で一番有名なサッカー選手といえば、やはり「利き足は頭」なこの人だろう。
高校時代はFWとDFの“二刀流”で名を馳せ、駒澤大学を経て加入したジェフユナイテッド千葉で当時のイビチャ・オシム監督のもとブレイク。2006年のドイツワールドカップに出場した。
【関連記事】群馬サッカーの雄、前橋育英高校!「歴代ベストイレブン」はこれだ
現役引退後は熊本へ戻り様々な活動を行っている。