「デジタルを用いた人材活用であらゆる労働の課題を解決する」、株式会社Matchbox Technologies(新潟市中央区)の佐藤洋彰代表取締役社長が年頭所感

株式会社Matchbox Technologies(マッチボックステクノロジーズ 新潟市中央区)の佐藤洋彰代表取締役社長

株式会社Matchbox Technologies(新潟市中央区)の佐藤洋彰代表取締役社長が4日、年頭所感を公表した。全文は以下の通り。

新年おめでとうございます。

昨年は新型コロナウイルスとの共存をあらゆる人々が模索した年になりました。そういった人々の努力により様々なことがデジタル化され、DX(デジタルトランスフォーメーション)化を推し進めた年になったと言えます。DX化の範囲は既存の枠組みを大きく越え新たな進化を遂げました。

弊社でも地方自治体の新潟県南魚沼郡湯沢町とデジタル技術を活用した労働環境提供・効率化事業において、湯沢町独自のギグワークプラットフォーム「ゆざわマッチボックス」の導入・運用を受託しました。これは、湯沢町の仕事をデジタル上で可視化し、誰もが短期単発から仕事を選び都合のいい時間に勤務ができるというものです。さらに各企業が自社独自の人材プールに働き手を登録し、すぐに声がけができる自社の戦力として貯めておくこともできます。「ゆざわマッチボックス」は企業と働き手の高い評価を獲得し、開設から半年で登録者は600人を越えました※。

※湯沢町の人口は7,893人(2022年11月末現在)、労働力人口は3,532人(令和2年国勢調査)です

また、「ローソンマッチボックス」というローソンの仕事と簡単にマッチングができ、店舗と継続的に繋がることもできるサービスの北海道版を開設したり、佐川急便を中核とするSGホールディングスグループと新たな人材プラットフォームの共同開発および事業化を検討するパートナーに採択されました。

こうした人材プラットフォームが好まれる背景には仕事に対する意識の変化があります。総務省統計局が令和3年に行った労働力調査※によると、非正規雇用を選択した理由の一位と三位は「自分の都合のいい時間に働きたいから」「家事・育児・介護との両立」となっており、それぞれ非正規雇用を選択した理由として2,064万人のうち654万人、217万人が回答しています。このように現代では働き手の都合に合わせた新たな就労環境が求められています。この新たな働き手のニーズに応えた就労環境を実現したのが「ゆざわマッチボックス」をはじめとしたプラットフォームです。

※出典:労働力調査(詳細集計) – 総務省統計局

弊社はこのプラットフォームの新しい枠組みを、人材を「アウトソーシング」するということの対義語で「セルフソーシング」と名づけ商標を取得しました。企業が自社独自の人材のコミュニティを作り、そのコミュニティの中で柔軟な就労環境を提供するからです。海外ではこの枠組みは「ダイレクトソーシング」と呼ばれ、⽶国の⼈材業界シンクタンクTalent Tech Labsは「2年以内に60%の企業が⼈材戦略として活⽤する」としており、⽶⼤⼿⼈材関連調査会社のSIAは「今後20年間、世界の⼈材市場を牽引する仕組み第⼀位」としています。日本では企業が人材会社を経由せずに直接雇用することを指して「ダイレクトソーシング」と呼ぶなど誤解も生まれています。我々は正しい意味でこの枠組みを広めるために「セルフソーシング」と呼称していきます。

デジタルを用いて人材の力を最大限発揮すれば現在の人材に関する課題は解消できると思っています。現在の2,064万人の非正規労働者が納得のいく就労環境で、一人あたり月に10時間労働時間を増やせば全体として2.1億時間の労働力の増加になります。これは労働人口が264万人増えたのと同義です。我々は「セルフソーシング」が日本全体を盛り上げると信じています。

また、D2Cと呼ばれるECサイトが大きなプラットフォームから分散した個別のプラットフォームに移行していくように人材プラットフォームも「セルフソーシング」のような分散した形に変化していくと考えています。これは人材のD2Cと言えるでしょう。

さて、長くなりましたが、2023年となる今年はこれらの新しい人材DXの枠組みである「セルフソーシング」を自治体を中心に普及していきたいと考えています。湯沢町との取り組みから自治体が旗振り役になることで大きな成果が得られると実際に体感し、中小企業や地方などの小さい単位の活力が国全体を盛り上げることになると信じているからです。これは政府が推進するデジタル田園都市国家構想にも一致します。湯沢町も小さな単位ですが、雇用から給与の支払いまで全てをデジタルで完結することに成功しました。現在のデジタル技術を用いれば小さな単位からの「セルフソーシング」の実現も決して難しいことではありません。人材に関するテーマはデジタル化のスタートとして理解も容易なのでどの企業も難なく使いこなしています。

今年中に「セルフソーシング」の呼称についてガイドラインを設定し商標を解放する予定です。意味が正しく伝わる利用方法については費用などは必要としません。つきましては日本全体を盛り上げるため、自治体や大企業の皆様が旗振り役となって「セルフソーシング」を実践いただけるよう願っております。

本年も、マッチボックステクノロジーズおよび「セルフソーシング」にお力添えいただけますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

Matchbox Technologiesグループは、人材雇用・労務管理を一体とした人材マネジメントのデジタル化により、人や組織の課題解決を目指していきます。

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