オカダ・カズチカがIWGP世界ヘビー級選手権で勝利!

1月4日、東京ドームで新日本プロレスの「アントニオ猪木追悼大会 WRESTLE KINGDOM 17 in東京ドーム ~闘魂よ、永遠に~」が行われた。

最終第9試合にIWGP世界ヘビー級選手権試合、第5代王者ジェイ・ホワイトvsオカダ・カズチカ戦が行われ、オカダが33分3秒にレインメーカーから片エビ固めで3カウントを奪い新王者となった。

【以下、試合後のインタビュー】

YOH「(オカダ、後藤、YOSHI-HASHI、石井、矢野と一緒にビールを持ち)オカダさん、後藤さん、YOSHI-HASHIさん、おめでとうございます! 乾杯です!(と言って乾杯した後、オカダを残して他のメンバーと共に退席)」

──改めてIWGP世界ヘビー級を取り戻した今のお気持ちを聞かせてください。
オカダ「まあ、取り戻したっていうよりは、やっとジェイに勝てたっていうのが大きいですかね。その中でいろんなことが重なったタイミングで、またチャンピオンに戻ることができたので凄く嬉しいですし、やっぱりシングルマッチで凄い孤独な中で帰ってきて、こうやって仲間に祝ってもらえるのは安心しますし、凄く嬉しいですね。なんか本当にいろんな嬉しさが重なってますね」

──リング上でも話されていましたけども、改めてジェイ・ホワイト選手にどういったメッセージを伝えたいですか?
オカダ「僕も若い頃からポンポンポンとトップ戦線を上り詰めてきて、こうやってなかなか勝てない相手はいなかったですから。僕よりも年下でキャリアも浅いと思うんですけど、僕の前に高い壁として立ち塞がってくれていたっていうのは凄くありがたいことですし。でも、まだ2回しか勝ってないですし、僕は4回負けているみたいなんで、あと3回いろんな所でやって、また向こうが勝ち越してる分は取り戻していきたいと思います」

──最後リング上でベルトを巻いた時に、ジェイ選手が話しかける仕草があったんですけども、あの時の言葉は憶えていますか?
オカダ「憶えていますよ。なんだかんだ言ってもジェイも元々はCHAOSに入って、いろんな関係があるからこそ、今日に繋がったと思いますし、そういうことを含めたいろいろなことを伝えたかったんじゃないかなと思いますね」

──今日は入場の時から赤いマフラー、そして新たな黒く統一したコスチュームで臨みましたけど、そのへんの思いっていうのを聞かせてもらっていいですか?
オカダ「特にこれと言って意識はしてないですよ(笑)。意識してないって言うと意識してたみたいですけど。まあやっぱり猪木さんの追悼でしたし、だからと言って猪木さん過ぎるのもおかしな話だと思いますし、僕は僕で僕なりの今の新日本プロレスを体現させてもらいました」

──この東京ドーム大会は久しぶりに声出しが解禁された東京ドーム大会でしたけれども、改めて東京ドームでのファンの声援を受けた気持ちはいかがでした?
オカダ「やっぱりプロレスしてるなって感じがしましたね。本当にオカダコールに助けられたというか、それが今日は凄い覚えていることというか、なんか本当に歓声って力になるなと改めて思えたんで。また少しずつですけども戻ってこれたっていうのはプロレスファンの皆さんが我慢してくれたから、今回東京ドームで声出しがいいという形になったと思いますし、まだ完璧に戻ったわけでもないですし、まだまだ我慢させてしまうことはあると思うんですけれども、皆さんのおかげでこうやって選手のパワーにもなっていますし、皆さんに協力してもらってですね、僕たちは僕たちでしっかり闘いで返していくだけですので。本当に歓声は凄いパワーになったので、新日本プロレスは前以上の新日本プロレスになって、みんなの力をパワーにして、歓声をパワーにして、また素晴らしい新日本プロレスを51周年も見せられるんじゃないかなと思います」

──お客さんの数ということで言うと、速報値で26085人ということで、去年の2日間の動員数を8000人ぐらい上回ったと。このことについてはどう思われますか?
オカダ「でも、本当に入場した瞬間に凄いお客さんの数は分かりましたし。でも、僕が目指しているのは本当にそこじゃないんで。まだまだ満足できないですし、超満員にしたいとずっと言ってますしね、猪木さんが見た景色をまた見ることができたらいいなと思いますね」

──花道の奥で猪木さんに捧げる「1、2、3、ダァーッ!」がありましたけども、あの時の景色はどういう景色でした?
オカダ「やっぱり『1、2、3、ダァーッ!』は僕じゃないのかなと。やっぱり縁のある人がやった方がいいのかなと思ったんですけども、追悼大会でしなきゃこれは追悼できないなと思って(笑)。『1、2、3、ダァーッ!』、声出しもできる中でみんなでやって、みんなで手をあげてる姿、まあお客さんの数は違うと思いますけども、これが猪木さんが当たり前のように見ていた景色なんだなっていう。それがなんか凄くいいものを見られたなと思いますね。本当に僕の先輩方でいろいろな方のを見た方もたくさんいると思うんですけど、僕が一人で言わせてもらってダァーをね。猪木さんも今頃天国で怒ってるかもしれませんけど、勝手に言ってんじゃねえって言っているかもしれないですけど(笑)。でも、今のプロレスファンの皆さん、最近のファンの人もいれば、猪木さんのバリバリの時期を見ていた人たちも今日は来てくれたと思いますし、やっぱりダァーをして猪木さんに届けたいという思いが皆さんにあったと思いますんで、最後にできて凄い良かったですね。しっかり猪木さんにも…何を言っているかは分からないですけど、しっかり届いたんじゃないかと思います」

──今年51周年が始まります。新たな挑戦表明もありました。改めて鷹木選手の表明はどのように受け止めましたか?
オカダ「去年の1.4でやりましたけど、正直、その後KOPWとかいろいろやっていたと思うんですけど、まだ何もなく来るのは早いんじゃないかなと。何か実績を残してきたわけじゃないですし、まだ早いよと。何もなく手ぶらで来るのは早いよ、東京ドームに挑戦表明しに来るのは早いよって、鷹木さんと11年前の自分に言いたいですね(笑)。でも、僕もそこで挑戦表明して認められたことありますし、まだ明日KOPWもあるとは思いますんで、ベルトがあってもなくても僕はまあどっちでもいいですけど、あったほうがお客さんは乗ってくれるんじゃないかなと思います。持ってきたら持ってきたで僕のカズチカ・オカダ(本人発言ママ)のプロレスリングを教えてやります」

──鷹木選手は、オカダ選手がここに到着する寸前に、まさにオカダ選手が今座っている場所で、KOPWを手にして、そして面白いことも考えているからと。非日常というキーワードと共にアイデアがあるという言い回しをしていました。そのへんの鷹木選手の決意はどのように受け止めていますか?
オカダ「まあ頑張ってください(笑)。こっちはIWGP世界ヘビー級のチャンピオンなんで、自分の目標に向かってしっかりやってくれればいいんじゃないかなと思います。まあ非日常、非日常って言ってましたけど、非日常を見せるのがプロレスラーだと思いますんで、そこはIWGP世界ヘビー級チャンピオンに任せてくれればいいんじゃないかなって感じですね」

──改めて今年1年の抱負を聞かせてください。
オカダ「50周年ということで昨年はかなり盛り上げることができたと思うんですけど、50周年だからとか、やっぱり50周年だったから面白かったとか言われたくないので、50周年で得たものはたくさんあると思いますし。それは僕たちレスラーだけではなく会社もそうですし、その50周年で得たものを引き続きやってダメだというルールはないですから、ドンドンドンドンパワーをつけていってですね、51周年、52周年、本当に100周年もやりたいですし、200周年もやりたいし。100周年だったらまだ僕も85歳ですし、それぐらい続いていかせないといけないですから。やっぱり猪木さんが作った新日本プロレスをドンドンドンドン続けていきたいですし、猪木さんの闘魂というのはですね、今まで新日本プロレスで育ってきたレスラーには全員受け継がれて、その闘魂という血が流れていると思いますから、その血をとぎらせないためにも51周年もしっかり盛り上げていってですね、新日本プロレスは凄いなと。日本のプロレスは世界中に届くんだなと、日本でしっかりお客さんを満足させてですね、その中心にいるのはやっぱりIWGP世界ヘビー級のチャンピオンの僕だと思いますんで、まだまだ引っ張っていって、新日本プロレスの51周年もこれからも盛り上げていきたいと思います」

ジェイ「(意気消沈したような声で)俺の時代はまだ続いているんだろうか……? 皆様、お待たせいたしました。TOJAYショーの始まりです。司会は私、“スイッチブレード”ジェイ・ホワイトです。今日のゲストは元IWGP世界ヘビー級チャンピオン、ヤングライオンからここまでのし上がった“スイッチブレード”ジェイ・ホワイトです。ジェイ・ホワイトと言えば、プロレス界でのナンバー1、ラストロックンローラー、一人でマディソン・スクエア・ガーデンとユナイテッドセンターを完売させた男、キング、唯一無二のチャンピオン、そしてBULLET CLUBのリーダーです。しかしながら、今夜はスイッチブレードと共にいてくれた人はいませんでした。まだ彼の時代は続いているのでしょうか? スイッチブレードの時代、まだあるのでしょうか? ゲストはそんなスイッチブレードです。まず一つ目の質問です。今のお気持ちをお聞かせください。オカダ、これまでだ。もう俺たちは終わりだ。オマエにとって最後のタイトルマッチになるという話をしていたが、それが実現したらベルトはオマエのものになってしまったな。もう再戦はゴメンだ。なんでかって? 今日この時、東京ドームで全てが上手くいくはずだった。3年ぶりに日本での会場で、ファンの声援を聞くことができた。もし今日、オマエに勝つことができないのだったら何の意味もない。今日こそが自分にとって意味のある1日だったはずだ。オカダ、おめでとう。オマエに言った通り、ごめんとは言いたくない。そして後悔もない。ここまで来るためにしてきた数々の決断。その中で一つの後悔もないと言える。なぜならば、そこで一つでも決断が違っていたら、今ここにはいないのだから。自分の名前、そして歴史、本当だったらこの場で『1、2、3、TOO SWEET』、これをコールするのは俺のはずだった。8年間、ずっと東京ドームで闘っている人たちを見てきた。8年前は自分自身がどこに行くか、全く分かってなかった。自分にどれだけ価値があるのか、それすらも分かっていなかった。もうみんな忘れているかもしれないけども、オカダと俺はかつてCHAOSで一緒に闘っていた。ずっと俺に親切にしてくれていた。そんな彼が今はチャンピオンになった。今日こそがアイツにまた勝ち、自分がベルトを防衛し、全てをいい方向に持っていくための最良の日だったはずなのに、何か足りなかったのだろうか? 何をすれば勝てたんだろう……。(しばらく沈黙してから)ああ、分かった。もう何年も前から間違っていた道に行っていたのかもしれない。(激昂しながら)これは全てヒクレオだ! BULLET CLUBでのユニットメイトだったが、あの長身の大柄な男のせいで、全てが崩れていったのかもしれない。ヒクレオ、オマエにこんな目に遭わされるとは思わなかった! そもそもオマエが波紋を広げたんだな。俺の人生を台無しにしてくれて、本当にどうもありがとう! オマエにも全く同じことをしてやるよ! オマエだけではなく、オマエの家族にもな! オマエの家族を破滅に追い込んでやる! オマエは俺を傷つけた。俺はこれから時間をかけてオマエを傷つけてやるから楽しみにしておけよ! というわけで、本日のゲストはジェイ・ホワイトでした。そしてTOJAYショーは今日が最終回です。というわけで、ヒクレオ、スイッチブレードと共にあるがいい。TOO SWEET。(引き上げ際に下田美馬さんを見つけると)ミマ、ミマ、オマエはクビだ!」

鷹木「チャンスを待ってたら一生来ないからな。チャンスは掴み取るもの、奪い取るものだ! だったら行動を起こすまでだ、なあ? KOPWもしっかりベルトいただくぜ。そしてKOPWを持って、ベルトを持って、オカダの前に立つ。ちょっと面白いことを考えててよ。新日本プロレスも今日で50周年の節目は終わりだろ? 明日から51周年だ。そうしたらよ、俺みたいなよそ者はよ、新日本らしさなんてクソ食らえだ。さっきリング上で言った通りイレギュラーな闘いを俺が見せてやるよ。そのためにも再び、IWGP世界ヘビー級王座は何がなんでも俺が奪取する」

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