特定健診の保健指導、肥満指標をわずかに改善、関西大学調査

特定健診で保健指導の対象と指摘された人はそうでない人に比べ、肥満指標がわずかに改善されることを、関西大学ソシオネットワーク戦略研究機構の中尾葉子研究員、本西泰三研究員らが見つけた。血圧や中性脂肪値なども短期的な改善が見られたが、改善効果は年々、減衰している。

関西大学によると、中尾研究員らは厚生労働省から提供された特定健診・保健指導の匿名レセプト情報を使い、2014年に特定健診を受けた全国約582万人分を調べた。

その結果、保健指導対象と指摘された人はそうでない人に比べ、1年間で腹囲が男性0.27センチ、女性0.34センチ、体重が男性0.21キロ、女性0.28キロ減るなど、肥満指標にわずかな改善が確認された。しかし、これらの改善効果は時間の経過とともに減衰していた。このほか、男女とも血圧やヘモグロビンA1c、空腹時血糖、中性脂肪にも短期的な改善が見られた。

その後、実際に保健指導を受けた人は受けなかった人に比べ、腹囲が男性5.0センチ、女性5.7センチ、体重が男性3.8キロ、女性4.7キロ減るなど、より大きな改善効果が出ていた。

保健指導は男性の血圧、ヘモグロビンA1c、空腹時血糖、中性脂肪。HDLコレステロールの改善と関連が見られたものの、女性の関連度は男性より小さかった。

論文情報:

【European Journal of Preventive Cardiology】 Impact of a national screening programme on obesity and cardiovascular risk factors

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