最強か故障者続出か レンジャーズの「イチかバチか」の先発ローテ

昨季メジャーワースト6位の先発防御率4.63に終わったレンジャーズは今オフ、マーティン・ペレスがクオリファイング・オファーを受諾して残留し、FAでジェイコブ・デグロム、アンドリュー・ヒーニー、ネイサン・イオバルディ、トレードでジェイク・オドリッジを獲得。昨オフ補強したジョン・グレイも含め、強力な先発ローテーションが完成した。しかし、故障リスクを抱えた選手も多く、メジャーリーグ公式サイトのトーマス・ハリガン記者はレンジャーズ先発陣を「イチかバチかのローテーション」と表現している。

デグロム、ペレス、ヒーニー、イオバルディ、オドリッジ、グレイはいずれも31歳以上。2023年シーズンの平均年齢は33歳に近く、2022年シーズンに故障者リスト入りしなかったのはペレスだけである。とはいえ、故障さえなければメジャー屈指の強力ローテーションであることは間違いなく、データサイト「ファングラフス」による先発投手陣の予想WARでは、ヤンキースの16.7に次ぐメジャー2位の15.6を記録。ブリュワーズ(15.0)、ブレーブス(14.4)、メッツ(13.8)、フィリーズ(13.8)など強豪チームを上回っている。

個別の数字を見てみると、デグロムの5.5を筆頭に、グレイとヒーニーが2.5、イオバルディが2.3、ペレスが1.8という予想。デグロムは2018年に9.0、2019年に6.9を記録した実績があり、イオバルディは2021年に5.7、ペレスも昨季3.8をマークしている。先発1~5番手に予定されている全員が故障なくシーズンを過ごし、なおかつ実力を十分に発揮すれば、最強ローテーション完成も夢ではないだろう。

だが、デグロム、ヒーニー、イオバルディ、グレイの4人は昨季合計71試合(うち69先発)しか登板していない。今季も同様の状況になった場合、オドリッジ、デーン・ダニング、コール・ラガンス、グレン・オットーらが代役を務めることになり、大幅グレードダウンは不可避。この可能性も秘めているのが今季のレンジャーズ先発陣なのだ。

昨オフにグレイ、マーカス・セミエン、コリー・シーガーらを獲得し、今オフはさらにデグロム、ヒーニー、イオバルディらを加えたレンジャーズ。ペイロールは昨季王者アストロズを超え、トップ10入りを果たしているが、この積極補強はどのような結果につながるのだろうか。今季要注目のチームだ。

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