ソニー・ホンダモビリティの新ブランド『アフィーラ』が発表。プロトタイプを初お披露目

 ソニー・ホンダモビリティ(SHM)は1月5日、アメリカ・ネバダ州ラスベガスおよびオンラインで開催されている世界有数のテクノロジーイベント『CES2023』にて、新ブランド『AFEELA(アフィーラ)』を発表し、プロトタイプモデルを初披露した。

 2022年3月に基本合意が発表されたソニーグループと本田技研工業のモビリティ分野における戦略的提携。その後6月には高付加価値EVの販売とモビリティ向けサービスの提供を行う新会社の設立に関する合弁契約書を締結し、ソニーグループが50%、本田技研工業が50%を出資する『ソニー・ホンダモビリティ株式会社(SHM)』が設立されている。

 そんなSHMは、2023年1月4〜8日にアメリカ・ラスベガスで開催されているテクノロジーイベント、CES2023の一般公開に先立ち行われたソニーグループのプレスカンファレンスで、新ブランドとなるアフィーラを発表し、プロトタイプの初披露を行った。

 記者会見にはSHM代表取締役会長兼CEOの水野泰秀が登壇し、SHMは『多様な知で革新を追求し、人を動かす』を企業パーパス(存在意義)として掲げ、人々の心を自由で、心地よく、胸高鳴る方向へと動かしていくことを目指すことを宣言。さらに、その実現のため、創造性で未来を切り開く人々とともに、最先端の技術と感性を掛け合わせ、“Mobility Tech Company(モビリティ・テック・カンパニー)”として、モビリティの革新を追求していく。

 アフィーラの名称は、SHMが考えるモビリティ体験の中心に在る“FEEL”を表した新ブランドだ。この名称には、人が、モビリティを“知性を持つ存在”として『感じる』こと、モビリティがセンシングとネットワークに代表されるIT技術を用いて、人と社会を『感じる』こと、というインタラクティブな関係性を表現している。さらにプレスカンファレンスでは、“人とモビリティの新たな関係を創るというSHMのビジョンを表現した”アフィーラのプロトタイプが世界初披露された。

『新たなモビリティの価値基準の創出』を目指したというプロトタイプモデルのデザインは、クルマを構成する主な要素が動力性能やパフォーマンスから、ソフトウェアやネットワーク、ユーザーエクスペリエンスに変わっていく転換点において、今までの車両デザインに求められた個性や造形のあり方を見つめ直すとともに、積み上げられてきた価値観を磨き上げることで本質的な価値を浮き彫りにし、ピュアで強いデザインが採用された。

ソニー・ホンダモビリティが初披露したプロトタイプモデル『アフィーラ』/フロント
ソニー・ホンダモビリティが初披露したプロトタイプモデル『アフィーラ』/リヤ

 エクステリアには、モビリティと人がインタラクティブなコミュニケーションをするため、知性を持ったモビリティがその意思を光で語りかける“メディアバー”を搭載。インテリアはまるで繭に包まれたような、無垢でやさしいラウンド基調のデザインとされ、カラーリングも“シンプル”が徹底されている。

 さらに、先進運転支援システムやテレマティクスなどの主要機能には、スマートフォンといったモバイル機器に関する通信技術および半導体の設計開発では世界有数の企業でもあるクアルコム・テクノロジーズのチップセットが搭載される予定になっている。

 SHMは、今回発表されたプロトタイプモデルをベースに今後の開発を進めていくとし、量産車については2025年前半からの先行受注を開始するとともに、同年中の発売を予定。デリバリーは2026年春に北米から開始するとしている。

 なお、プレスカンファレンスでは『フォートナイト』などで知られるエピック・ゲームズとソニー・ホンダモビリティの協業開始や、発売中のプレイステーション5/4用ゲームソフト『グランツーリスモ7』が、2月22日に発売されるVRヘッドセット『プレイステーションVR2(PSVR2)』への対応なども発表されている。アフィーラのプロトタイプモデル詳細についてはソニーホンダモビリティの公式サイト(https://www.shm-afeela.com/ja/prototype/)まで。

ソニー・ホンダモビリティが発表したプロトタイプ『アフィーラ』のインテリア
ソニー・ホンダモビリティが発表したプロトタイプ『アフィーラ』のエクステリア
CES2023にてアフィーラのプレスカンファレンスを行うSHM代表取締役会長兼CEOの水野泰秀

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