東京ドームの2.5倍…北陸新幹線の巨大「駐車場」 敦賀車両基地、雪に備えて屋根仕様

建設中の敦賀車両基地。写真上部には新幹線敦賀駅が見える=福井県敦賀市観音町(日本空撮・小型無人機ドローンで撮影)
車両の点検を行う仕業検査庫=福井県敦賀市観音町

 北陸新幹線福井県内延伸後の終着駅となる敦賀駅(福井県敦賀市)から南に約2キロ。敦賀車両基地は折り返し列車などが待機する「駐車場」としての機能のほか、車両の保守点検を行うメンテナンス拠点だ。安全、安心の運行を支える上で不可欠な役割を担う。

 車両基地は延長約1.5キロ、最大幅約160メートル。変電所や保守基地など関連施設を含めると面積は12ヘクタールで、東京ドームの2.5倍の広さだ。建物の外観はグレーを基調に青色のラインがアクセントになっている。「地元敦賀市の青色の市章や北陸のハワイと言われる水島をイメージしています」。鉄道建設・運輸施設整備支援機構敦賀鉄道建設所の相澤宏幸所長が教えてくれた。

 車両の点検を行う「仕業検査庫」には3編成(1編成12両)が収容できる。2日に1回の頻度で台車やパンタグラフ、ブレーキなどの動作チェックを行う。台車の点検は、車両の下に潜り込んで行うため、地上から高さ約1.1メートルにレールが据え付けられている。

 仕業検査庫の隣には壁を隔てて、折り返し列車などが待機する「着発収容庫」が立つ。函館(北海道)や長野、白山(石川県)の車両所や車両基地と同様に屋根で覆われているのが特徴で、降雪が多い地域ならではの仕様だ。開業後は7編成の新幹線がずらりと横一列に並ぶこともあるそう。圧巻の光景を目に浮かべ、24年春の完成が待ち遠しくなった。

⇒特集「シン・フクイケン」トップページはこちら

  ×  ×  ×

 北陸新幹線金沢―敦賀間(約125キロ)はレール敷設が完了し、現在は設備や電気工事のまっただ中。24年春の開業に向けて順調に整備が進む「現場」を訪ねた。

© 株式会社福井新聞社