教員試験で「大学推薦」を新設 24年度採用の小・高教員から 1次試験免除も

記者会見する阿久澤教育長=5日午後、県庁南別館

 阿久澤真理(あくさわしんり)栃木県教育長は5日の定例記者会見で、2024年度採用の小学校と高校(情報)の教員試験から「大学推薦」の特別選考を新設すると発表した。県教委が依頼した大学から推薦を受けた受験者は、1次試験の全てまたは一部が免除される。教員不足が問題となる中、大学から「お墨付き」を得た優秀な人材の確保などを狙う。

 県教委によると、大学推薦は全国的に広がっているが、関東では本県と群馬県が未導入という。

 対象となる大学は県教委が採用実績などを勘案して決定し、依頼する。小学校教員では1次試験を全て免除、高校の情報では1次試験の一般教養を免除する。

 また、受験者の負担を軽減するため特別支援学校の学力試験は一般教養と専門科目とし、「志望する部の教科・科目」をなくす。実技試験は全て廃止し、「特別支援教育に関する指導計画等の作成・質疑」は学力試験に組み込む。

 県教委によると、直近10年間の小学校教員採用試験の倍率は3倍前後とほぼ横ばいだったが、受験者数が伸び悩むなどし22年度採用は2.5倍まで落ち込んだ。

 高校の情報を担当する教員107人のうち免許を持つのは39人。約6割が免許を持たない状況のため、この改善を目指す。

 阿久澤教育長は「受験希望者が減る中で人材確保の競争になっている。新たな制度を使って優秀な学生を確保したい」と述べた。

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