「トップが立派じゃないとダメ」台風15号対応で露呈した市・町との連携不足 川勝平太静岡県知事はどうみる?【新春知事対談】

静岡県の川勝平太知事に聞く新春知事対談。1回目は静岡市との連携不足も指摘された「台風15号」がテーマです。SBSの滝澤悠希アナウンサーが聞きました。

滝澤;約半世紀前の七夕豪雨をきっかけに県と静岡市でさまざまな治水対策をしてきたが、台風15号では大きな被害が出た点についてどう思いますか。

川勝;七夕豪雨の経験がら巴川が氾濫しないように上流の麻機に遊水地をつくって水を十分に貯えられるようにしたが、(台風15号は)上流から中下流域まで雨が降ってしまった。川については流域治水が大事で、流域の住民と行政が一緒になって流域治水をしなくてはならない。上流も下流も関係しているという方向にこれからはなります。

滝澤;行政間の連携も重要だと思いますが。

川勝;一番大事なことですね。今回、県は金曜日から雨が降って土曜日の午前3時に災害対策本部を立ち上げ、川根本町や島田、清水がどうなっているか情報は入ってきた。これは市町で共有しないといけないと、アクションを起こすには情報の収集が大切だと思います。

滝澤;静岡市の災害対策本部の立ち上げが遅かったという指摘もあったが。

川勝;遅かったんじゃないですか。台風で明らかになったのは(静岡市の)危機管理能力の欠如、危機管理体制の欠陥で、こういうものが浮き彫りになったので、ついに(田辺信宏)市長が静岡市長選不出馬というところまでいってしまった。これは最も反省すべきことだと思う。

例えば、浜松だと離れているので県の迅速な援助が受けにくいので一生懸命やるけど、(静岡市は)甘えの構図があるかもしれない。政令指定都市が県庁や府庁と一緒になると、具合が悪いということで大阪都構想が出たのだから、二重的なものがあって、そうしたものはなかなか解消できない。

滝澤;静岡市との二重構造を解消するには。

川勝;トップが立派な人でないとダメですね。日本の20の政令市の中で一番面積が広いのが浜松市で二番目に広いのが静岡市。人口が一番少ないのは静岡市。だから財政力とか技術力とか(静岡市は)落ちているなと思っている。浜松市は立派な行政をしてきた。政令市の中で区の再編をした唯一の政令市ですよ。静岡市の場合は相当な荒療治が必要という印象を持っている。

しかし、立派な人が(静岡市長に)なれば任せて、必要な時に私はいつでも助ける、あとは残り33市町の伊豆、東部、志太榛原、中東遠、ここのところに注力していきたい。注力させてほしい。政令市の自立を任せられる限りにおいて。その間、静岡市は心配でしかたなかった。

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