3年ぶり「火祭り」開催へ 21日、潮岬望楼の芝

3年ぶりに開催されることになった「本州最南端の火祭り」のポスター

 南紀串本観光協会は21日、和歌山県串本町潮岬の望楼の芝を舞台にした恒例イベント「本州最南端の火祭り」を開く。芝を焼く炎が幻想的に広がる光景は串本の新春の風物詩として親しまれているが、コロナ禍のため開催は2020年以来3年ぶり。担当者は「コロナ禍で疲弊した観光の活性化につながれば」と大勢の来場を呼びかけている。

 観光協会によると、害虫を駆除し、新芽の育成を促すために行われていた芝焼きを観光振興に活用しようと、1997年からイベント化し、2001年からは「本州最南端の火祭り」の名称で開催。さまざまなイベントや約10万平方メートルの芝生を焼く炎を見るため、毎年、家族連れや写真愛好者ら2千~3千人でにぎわうものの、21、22年は開催を見送っていた。これまでは1月最後の土曜に開いていたが、イベントの進行と日没時間を考慮して今回から第3土曜に早めたという。

 当日は午後1時から菓子や食べ物、雑貨などの物産販売(午後5時まで)、4時半から「町の魚」であるトビウオのつみれが入った「しょらさん鍋」800食の振る舞いの他、潮岬節保存会や町トルコ文化協会による踊りの披露があり、5時から人気の「芋餅」を限定300パック販売する。

 5時15分から式典が始まり、5時半から串本古座高校弓道部による火矢射式と演出花火があり、芝焼きがスタート。6時半ごろに終了する予定。雨天・強風の場合は28日に延期する。

■モデルロケット体験会も

 観光協会では、2月末ごろを目指している同町田原の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」からの初号機発射を盛り上げようと、モデルロケットを製作して望楼の芝で打ち上げる体験会を同時開催する。18日まで、小中学生を対象に参加者(先着20人)を募集している。無料。

 当日は午後1時半から、同町潮岬にある南紀熊野ジオパークセンターで開催。講師に教わりながらモデルロケットを製作した後、4時ごろからセンター前に広がる望楼の芝で打ち上げる。保護者の同伴が必要。

 観光協会の宇井晋介事務局長(66)は「本州最南端の火祭りは串本の年始めの恒例イベントとして多くの方が楽しみにされており、屋外でもあるので今年は3年ぶりに開催することにした。モデルロケットを打ち上げる体験会を同時開催して、スペースポート紀伊からの初号機発射に向けた応援の機運も盛り上げたい」と話している。

 問い合わせや体験会の申し込みは、南紀串本観光協会(0735.62.3171)へ。

© 株式会社紀伊民報