<新型コロナ>長期休暇で陽性者が一時減少…その後増えるパターン多く 半年ぶり重症病床フェーズ引き上げ

新型コロナ重症病床数引き上げ 半年ぶりに変更、90床に

 大野元裕埼玉県知事は5日の定例記者会見で、新型コロナウイルスの重症病床を現在の「フェーズ1」から「フェーズ2」に引き上げると発表した。17日までに移行し、移行後の重症病床は90床となるよう医療機関に確保を要請した。重症病床がフェーズ1以上となるのは約半年ぶり。

 県内の、4日の新規陽性者数は4991人で1週間前から約6千人減少し、同日時点の1週間平均は5459人と前週より約3千人少なかった。一方、4日時点の病床使用率は73.7%で、前週の76.2%から大きな改善は見られない。大野知事は「引き続き厳しい状況と考えている。年末の専門家会合でも、長期休暇では一時的に陽性者が減少しても、その後増えることが多く油断ならないと指摘された」と警戒を継続する考えを示した。

 4日時点で、新型コロナに感染し入院している重症患者は42人。全体の病床確保計画は「感染者急増時」体制の手前の「フェーズ4」とされ、現在1639床ある。

 県は12月27日、オミクロン株対応の感染状況の分類をレベル3「医療負荷増大期」に引き上げた。レベル3では感染対策強化の要請などを行う「医療逼迫(ひっぱく)防止対策強化宣言」が出せるが、大野知事は4日の会見でも「状況はコントロールできている話もある。飲食店や学校、経済の制限は念頭にない」と発出に慎重な姿勢を示した。

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