お正月、多くの人が神社に初もうでに行かれたと思いますが、広島・三原市にある氏子や宮司がいない神社では、有志の力でお宮を存続させようという動きが盛り上がっています。
三原市の住宅地の一角にある賀羅加波神社です。由緒ある神社で、起源は奈良時代より前にさかのぼりますが、氏子や宮司はいません。そのため、祭事や清掃などは、「てご」と呼ばれるボランティアで行っています。
神社の正面に掲げる大きなしめ縄も、ご覧のとおり…。編み上げるのも飾り付けるのも「てご」による手作業です。
「てご」の1人 永野沙織さん
「こちらが、江戸時代に建てられた本殿でございます。一度、修繕すると、60年持つといわれています」
「てご」の1人、永野さんに案内してもらったのは、改修中の本殿です。特別に屋根の部分を見せてもらいました。
永野沙織さん
「当時の技術って、すごいなと思うんですけれども、全部、手で彫っているんですね」
江戸時代に建てられた本殿は、老朽化が進み、ここ数年で雨漏りが深刻化しました。
永野沙織さん
「ほかのところは、なんとか応急処置でやってきたんですが、雨漏りだけはもうどうすることもできなくて、限界を迎えましたので」
修理を始めたところ、費用はおよそ1700万円と、500万円の不足が判明し、先月、クラウドファンディングを始めました。
永野沙織さん
「予算の問題もございまして、使える木材は使っていこうということで、宮大工さんが、一生懸命がんばっていただいている状態でございます」
関係者の呼びかけにより、当初の目標額は、予想をはるかに上回るペースで集まりました。
永野沙織さん
「おかげさまで温かいたくさんのお言葉とご支援をいただきまして、『てご』一同、ありがたいねえと言いながら泣いております」
本殿の改修工事は、6月頃、完成予定。クラウドファンディングは、今後の維持費などのため、目標金額を引き上げて、今月末まで続けます。
「てご」の1人 永野沙織さん
「とにかく温かい神社だとわたしは思っておりまして、宮守のおばあちゃんも楽しくお話をする方なので、とにかくこちらに来てお参りをしていただいて、『こんなところがあったんだって喜んでいただきたいなと思っております」
クラウドファンディングの達成には、全国の神社ファンの方がたやユーチューバーの協力もあったということで、由緒あるものを現代の技でつないでいるという感じです。