ラップで美術ラブ ぶつけ合う 9日、学芸員4人が岡山でバトル

「ラップバトルトーナメント」をPRするチラシ

 岡山県内の美術館学芸員が、作品や資料への愛をぶつけ合う「ラップバトルトーナメント」が成人の日の9日、県立美術館(岡山市北区天神町)で開かれる。仏教美術や工芸など異なるジャンルを専門にする4人が出場。若い世代に人気の「MCバトル」にちなみ、ビートに乗せて“推し”の魅力を発信する。

 出場者は、阿弥陀(あみだ)如来に魅せられた県立美術館の鈴木恒志さん(26)、神社のこま犬を研究する倉敷考古館の伴祐子さん(46)、備前焼など工芸を愛する林原美術館(岡山市)の橋本龍さん(53)、古代ガラスの謎を追う岡山市立オリエント美術館の四角隆二さん(51)。

 バトルは音楽イベント制作会社・遊覧座(東京)の斗澤将大代表が、会合で同席した鈴木さんが語った“阿弥陀愛”に感銘を受け発案。東京で活動するラッパー2人が進行役を務め、出場者が一対一でリズムに合わせて推しの由来や面白さを語り、かける情熱を競い合う。勝敗は審査員2人と観客が決める。

 4人ともラップは初挑戦。鈴木さんは「学芸員は普段黒子役だが、地道な研究を支えるのは、この作品、ジャンルが好きという思い。誰にも負けない熱い思いを訴え、興味を持ってもらえたらうれしい」と話している。

 午後2時スタート。先着180人。観覧料は一般350円、大学生250円、65歳以上170円で、高校生以下と新成人無料。問い合わせは県立美術館(086―225―4800)。

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