「すでに崩壊している」発熱外来には患者押し寄せ…8471人感染、15人死亡の“ダブル最多”静岡県内もコロナ急拡大に危機感

約4か月ぶりに過去最多を更新です。静岡県内では1月6日、新たに8471人が新型コロナウイルスに感染したことがわかりました。「行動制限のない年末年始」を経て、発熱外来には多くの患者が押し寄せています。

<病院のスタッフ>

「きょうはどうしましたか?」

<来院者>

「熱はないが、きのうから咳がある。子どもが発熱…」

浜松市中区で発熱外来を行っている小児科では、年末年始を経て、患者数が急増。6日朝は診療開始から30分もしないうちに、10人以上の患者が訪れました。

<チルドレンクリニック 辻徹院長>

「診療時間を過ぎても、1時間近く延長してやらなきゃいけないという状況。すでにうちは崩壊している感じです」

行動制限がなかった今回の年末年始。帰省などに伴う感染拡大が強く危惧されていました。

<来院者>

「年が明けてから、私も体調が悪くなって、子どもも悪くなって」

<チルドレンクリニック 辻徹院長>

「2年ぶり、3年ぶりに(親戚や友人らと)コロナ禍で会うことができて、それをきっかけに発熱して受診される方が多くなっていると思う」

静岡県内では1月6日、新たに8471人の感染者が確認され、2022年8月24日の7969人を上回り、過去最多を更新しました。初めての8000人台となった6日、15人の死亡が報告され、1日の死亡者数としても過去最多となりました。

静岡県内の年末年始の1日あたりの新規感染者数を昨年度と今年度で比較すると、昨年度の年末年始はオミクロン株の感染者が県内でも確認されてきたころでしたが、6日間すべて一桁台…。1年で大きく状況は変わりました。

1400人を超える新規感染が確認された静岡市は6日、会見を開き、若い世代が無意識のうちに感染を広めているとして、「行動制限がないという意味を誤解しないでほしい」と警鐘を鳴らしました。

<静岡市保健所 田中一成所長>

「あくまでも適切な予防行動、ワクチン接種、認証店の利用などをするということを前提として、強制的な措置の発動がない、ルールやマナーを守らなければ、感染リスクがあるという状況は何ら変わっていません」

こうした中、静岡県は6日から、ワクチンの大規模接種会場でオミクロン株に対応したモデルナ社製ワクチンの当日受付を始めました。予約した人が優先されますが、空きがあり、身分証明書や接種券を持っていれば当日接種が可能です。

<当日受付で接種した人>

「仕事の合間を使って予約があまりないということで、チャンスだと思ってきました」

「オミクロン対応ということで、きょう打ちました。だいぶ増えてきましたからね」

静岡市葵区の会場では、1日に250人分の枠がありますが、6日の予約は82人と空きがありました。

<静岡県新型コロナワクチン推進室 佐野充夫室長>

「感染者数の報告がかなり増えてきている。医療現場でもひっ迫した状況なので、感染、重症化を防ぐためにワクチン接種をご検討いただければ」

静岡県の大規模接種会場は、1月末まで開設されています。

© 静岡放送株式会社