「同時流行の入り口」と岡山知事 コロナ、インフル防止策徹底訴え

県内の感染状況について報道陣に説明する伊原木知事

 伊原木隆太岡山県知事は6日、県内で1日当たりの新型コロナウイルス新規感染者が初めて5千人を超え、季節性インフルエンザも拡大していることを受け、「県内はコロナとインフルの同時流行の入り口にある」との認識を表明し、改めて感染防止対策を徹底するよう呼びかけた。県庁で報道陣の取材に応じた。

 県は同時流行時の1日当たりの最大患者数について、コロナ6600人、インフル5300人との想定を明らかにしている。知事はこれを踏まえ「コロナ感染はまだピークとは言えず、インフルもさらに拡大する可能性が高い。同時流行の波をいかに抑えるかが課題だ」と述べた。

 コロナの流行「第8波」に対応するため県は昨年末、感染拡大防止と医療機関の負担軽減につながる行動を促す「医療ひっ迫警報」を発出。体調が悪い場合の外出自粛、手洗いの徹底や密状態の回避などに加え、早期のワクチン接種を盛り込んでおり、知事は「コロナもインフルもワクチンで重症化率が大きく変わる。ぜひ接種してほしい」と強調した。

 知事はまた、コロナ病床使用率が高止まりし、救急車の到着後も搬送先がすぐに決まらない「救急搬送困難事案」も増えているとして「抗原検査キットや解熱鎮痛剤の事前購入などで医療機関への負荷を抑えることが大事だ」と指摘した。

 一方で社会経済活動を維持するため、現時点で外出自粛を要請する「対策強化宣言」の発令は考えていないとした。

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