益子の養鶏場が全国8千軒の頂点に ネット直販「食べチョクアワード」

農家8千軒の最上位に輝いた薄羽養鶏場代表の薄羽さん

 栃木県益子町塙の鶏卵生産販売「薄羽養鶏場」はこのほど、日本最大とされる産直通販サイト「食べチョク」で利用客(75万人)から高評価を得た生産者を表彰する「食べチョクアワード2022」の「総合」と「畜産物」部門で1位となり、生産者8千軒の頂点に立った。代表の薄羽哲哉(うすばてつや)さん(44)は「受賞できるとは思わなかった。スタッフ11人みんなのチームワークで獲得できた」と喜んでいる。

 アワードは、年間を通じて消費者の満足度が高く、人気のある生産者を「野菜」「果物」「水産物」「畜産物」「米・穀類」「そのほか各種(加工品、調味料、花きなど)」の6部門でランク付けする。食べチョクを運営するビビッドガーデン(東京都)が、サイト内掲示板への投稿率やリピート率、リピート購入回数などを基に審査する。

 薄羽養鶏場は2020年に「畜産物」部門で1位に輝いていた。飼料に酵母を加え、ケージ飼いではなく、鶏にストレスがかかりにくい平飼いで飼育するなどして高品質な卵を生産する。

 家族経営の小規模養鶏場で、出勤できないスタッフがいれば他のスタッフが代わりに出勤したり、業務量が多い際は進んで残業をしたりするなど協力し合う職場が強みという。運送業者や梱包(こんぽう)資材メーカーなどの協力を得て、破損しにくい方法で発送する。

 薄羽さんは「お客さまをがっかりさせず、満足してもらうため、割れない梱包と卵の品質に注力してきた」と、首位となった22年を振り返った。

 昨年11月には、卵を産まなくなった廃鶏を使ったレトルト食品「薄羽養鶏場のバターチキンカレー」を発売した。「どうすれば生き残っていけるのか、日々模索中。チキンカレー商品化のような新しいことに挑戦し、活路を開いていきたい」と話している。

 県内からは「そのほか各種」部門でユリ生産販売のF.F.HIRAIDE(エフ・エフ・ヒライデ)=宇都宮市平出町=が1位となった。今月23日午後7時から、動画投稿サイト「ユーチューブ」で授賞式の模様がライブ配信される。

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