部長も課長も「さん付け」で 職員発案きっかけ、心の壁取り除く 栃木県

栃木県庁

 「部長」「課長」から「さん付け」へ-。職員の発案をきっかけに、栃木県は1月から役職や年齢にかかわらず「さん付け」で呼び合う試みを始めた。コミュニケーションをより活性化させ、新たなアイデアを提案しやすい環境づくりを目指す。

 栃木県の業務改善案を表彰する「県庁スマートワーク・アワード2022」で、30代職員が「さん付け」を提案。「役職者に対する心の壁を取り除く」というコンセプトなどが評価され、グランプリに選ばれた。

 県行政改革ICT推進課によると、庁内では部長、次長、課長、総括などの役職で呼ぶことが多い。「一斉に変えるのはハードルが高い」(同課)とみて、3月までを所属の課単位で取り組む試行期間とした。上司が部下を呼ぶときも「さん」で統一。アンケートを実施し、4月以降の対応を決める。

 行政改革を主導する経営管理部は、先行して部全体で実践している。同部の国井隆弘(くにいたかひろ)部長は「違和感なく進んでいる。より一層活発に議論し、アイデアを出し合える風土の醸成につなげたい」と期待を寄せた。

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