連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第108話

 ともあれ、ブラジルに於ける森の再生事業は難しい仕事であるが、絶対急いで取り掛かるべき仕事である。今、地球の環境汚染が一大問題として、ここ二十年位前から真剣に論議され、一九九二年にはじめてリオ・デ・ジャネイロで国際会議が開かれ、そのあと日本の京都で京都議定書に多くの国が調印した。アメリカは経済の発展をそこなうとの理由で歩調を合わせず、その後ロシアが調印して、いよいよ議定書は発効したわけである。この議定書はそれぞれの国に二酸化炭素の削減比率を定め義務を背わせている。しかし世界一の汚染大国アメリカや中国が仲間に入らねば余り意味がないとして、日本が主導的な役として、二〇五〇年までに二酸化炭素を今の五○%までに下げる目標でアメリカや中国を納得させたようである。現在地球のオゾン層破壊による地球温暖化の影響がすでに現れて気象が狂って来て地球上のあちこちで問題が多発している。私達のコチア青年の森作りがこの問題の起爆剤となればと願っている。
・十一月二十六日 私のアポゼンタドリア(定年)取得を手伝ってくれたアルマンドとルシアーナの結婚式。
・十一月二十八日 バルゼングランデでスドエステ地方紅白歌合戦。
・十二月五日 県派遣農業研修生、谷口智子さん来伯。
・十二月七日 天理教此花大教会、田辺会長と会見(石井宅)。
・十二月十二日 県受入れ農業研修生、国府たかしハーレ、横山ひろしテッド両君訪日。
・十二月二十六日 国士舘文協杯マレット・ゴルフ大会、美佐子Bクラス優勝、 慧Aクラス八位。
・十二月三十日 慧、自分史を書き始めた(ぼつぼつと思い出しながら)。
 今年の大きな災害は日本では猛暑。二十四号までの台風、中越地震、それに年の瀬の押し迫った十二月二十七日には、インドネシアのスマトラ半島西部の超大型地震と大津波の被害で死者合計十万人を越すとか。今さらながら自然の猛威の恐ろしさを感じる。それなりに私達の住むサンパウロは泥棒などの人災は多いが、自然の災害は少なくありがたいことである。

 二〇〇五年(平成十七年) 慧七十才 美佐子六十六才
 今年の正月はイビウーナの前田ペスケイロで祝った。
・一月三日 コチア青年事務局長に松平恵子さん就任。
・一月六日 露地植え野菜をバルバとの歩合三〇%でエディバンとKISALAOAに出荷。
・一月十二日 コチア青年の森、第二回目の植樹(二十四種五〇〇本)六十人の参加 雨あり。
・一月十八日 コチア青年総会(理事会続投) 福井県人会館。
・一月十九日 久しぶりにカングエーラ区、カルモ区合同新年会(レストラン・ゴイス)。

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