十日えびす前に福笹作り 田辺市の寺院

ササに縁起物などを取り付ける関係者(7日、和歌山県田辺市宝来町で)

 和歌山県田辺市宝来町の蓬莱山三敬院で7日、商売繁盛や五穀豊穣(ほうじょう)、家内安全などを祈る「十日えびす」の福笹作りが始まった。

 蓬莱山三敬院のえびす社は江戸後期に勧請され、紀南地方のえびす社で最も古い歴史を持つという。

 この日は、池永真行住職(62)や家族、檀家(だんか)ら約10人が、長さ1メートルほどのオカメザサにお札や縁起物を取り付けていった。後で俵や小判などを取り付けて仕上げる。8日からは20人ほどに人手を増やす。

 福笹は例年通り約3千本を用意する。笹約10種類のほか、置物も約10種類あり、価格帯は千~3万円。最近の売れ筋は3千~5千円で、小さい置物が好まれるという。

 9日は「宵えびす」、10日は「本えびす」、11日は「残り福」を営む。

 今年も手水の代わりに消毒液を設置し、鳴り物を取り外すなどしてコロナ対策をする。混雑する時間(午後5時~8時)を避ける分散参拝に協力を呼びかけている。

 池永住職は「疫病退散や地域経済回復を願って準備している。福を持ち帰ってもらいたい」と話した。

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