学芸館が決勝初進出 高校サッカー 9日、京都・東山と対戦

初の決勝進出を決め、喜ぶGK平塚仁(中央)ら学芸館イレブン=国立競技場

 サッカーの第101回全国高校選手権は7日、東京・国立競技場で準決勝があり、岡山県代表の学芸館は神村学園(鹿児島)を3―3からのPK戦で破り、初の決勝に進んだ。岡山勢のファイナル進出は2006年度大会で準優勝した作陽以来、16大会ぶり2度目。

 学芸館は前半6分、MF田口裕真のシュートで先制。その後は2度勝ち越しを許したが、後半17分にFW今井拓人、28分にはMF岡本温叶のゴールで追い付く粘りを発揮した。PK戦ではキッカー4人全員が落ち着いて決める一方、GK平塚仁が1人を止め、4―1で難敵を退けた。

 2大会連続5度目の大舞台で快進撃を続けるチーム。高原良明監督は「素晴らしい勝ち方をしてくれた。最高の準備をして頂点に挑みたい」と話した。

 決勝は9日午後2時5分から国立競技場で行われ、学芸館は岡山勢初優勝を懸けて東山(京都)と対戦する。

持ち味発揮し快進撃

 晴れの国立でイレブンの輝きはひときわ増した。東京の国立競技場で7日行われたサッカーの第101回全国高校選手権準決勝。夏のインターハイを含め、初めて全国4強入りした学芸館は神村学園(鹿児島)をPK戦の末に破り、一気にファイナルの舞台に突き進んだ。

 2度のビハインドを追い付き3―3で突入したPK戦。2人が外した相手に対し、全員成功でつないだ学芸館は4人目に登場した主将のDF井上斗嵩(3年)がゴール左上に蹴り込んで劇的な勝利を決めた。「諦めることなく戦って良かった。PK戦は本当にみんな前を向いて、明るい雰囲気だった」。仲間にもみくちゃにされたキャプテンは感極まった様子で話した。

 インターハイは2年連続8強。ベスト4の壁を破ろうと臨んだ冬の大舞台で、持ち味のハードワークを発揮し想定以上の快進撃を見せている。この日もドイツのプロチーム入団が決まっている大会屈指のストライカーらタレント軍団を向こうに回し、球際で粘った。DF中尾誉(3年)は「レベルの高い攻撃に対してもボールにしっかりアタックできた。正直、決勝に行けるなんてびっくり」と興奮を隠さない。

 岡山勢の決勝進出は作陽が2006年度大会で準優勝して以来、16大会ぶり2度目だ。2戦連続で先制ゴールを奪ったMF田口裕真(2年)は「もう1回、国立で3年生と試合ができることがうれしい。ここまで来たら勝つしかない」。9日、東山(京都)との頂上決戦で岡山サッカー界の悲願に挑む。

神村学園とのPK戦を制し、駆け出す学芸館の選手たち

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