絶景ビューの空中禅道場『禅坊 靖寧』で心と体を癒やす時間を/兵庫県 淡路島

世界的に有名な建築家が設計したリトリート施設

『禅坊 靖寧』は2022年4月にオープンした、禅体験ができるリトリート施設。禅プログラムや食事を通して、心身のバランスを整えることをコンセプトにしています。

施設があるのは、神戸淡路鳴門自動車道淡路ICから約5分の山間。公共交通機関で行く場合は、岩屋ポートもしくは淡路ICから無料のシャトルバスの利用が便利です。

『禅坊 靖寧』の魅力の一つが、自然と調和した美しい建物です。設計を担当したのは、世界の優れた建築家に授与される「プリツカー賞」を受賞した建築家・坂茂氏。

山間に佇む全長100mのウッドデッキを設えた建物からは、淡路島の四季折々の景色を360度見渡すことができ、自然を存分に感じられます。

さて、今回はそんな『禅坊 靖寧』の日帰りプランを実際に体験した様子をレポートします!

『禅坊 靖寧』の日帰りプラン体験レポート

まずは、チェックインの手続きから。館内の説明を受け、ウェルカムドリンクをいただきます。

ウェルカムドリンクは、3年以上熟成させた葉や茎を使用した三年番茶。

お茶のお供には、ナッツと、豆麹と麦麹を発酵させた日本古来の調味料「醤(ひしお)」に、梅の実を練り合わせた「梅ひしお」。「梅ひしお」は、なんと約2400種以上の生きた酵素を体に取り入れることができるという優れものです!

体が喜ぶおもてなしに、このあとのプログラムへの期待もますます高まります。

なお、今回のプログラムの流れは以下の通り。

__10:30 受付開始
ウェルカムドリンク
11:30 ZEN Wellness(約1時間)
12:40 禅坊料理
ZEN 書
ZEN 茶
ZEN 香
14:15 ZEN Wellness(約30分)
15:00 チェックアウト__

※ 12:40から14:15の間は自由に過ごすことができます。

禅語が名付けられている18の宿坊

ウェルカムドリンクを堪能した後は、滞在中に休憩室として過ごす個室へ。全18の宿坊には、「一期一会」「日日是好日」「諸行無常」といった禅語が名付けられています。どの部屋になるかは当日までのお楽しみ。

今回利用したのは、一人用の「色即是空」というお部屋です。「起きて半畳、寝て一畳」の精神に基づいた自分と向き合うことがコンセプトということもあり、ものが少なく余白が多いのが印象的。

杉の木の香りがする空間はとても心地がよく、雑念を払って“今この時間”に集中するにはぴったりの場所です。

なお、禅体験では動きやすい服装が推奨されています。私が訪れたときには、パーカーにストレッチの効くパンツスタイルといった普段着で参加されている方が多い印象でした。

個室で着替えもできるので、ヨガウェアなどのスポーツウェアを持参するのもおすすめです。

着替えなどの準備を終えたら、ZEN Wellnessを行う全長100mのウッドデッキへ。目の前には緑に囲まれた大自然が広がり、絶景の中で座禅を行う「空中禅」を体験できます。

プログラム中に使用するリトリートチェアは、長時間座っていても疲れにくい仕様。暑い時期は窓を全面に開けているので風が通り暑さを感じることがなく、寒い時期はブランケットやウィンドブレーカーが用意されているほか、床暖房も完備されています。

ZEN Wellnessの時間になると、スタッフの方が鈴を鳴らして合図をしてくれます。インストラクターの紹介のあと、早速プログラムがスタート。

禅体験が初めての方も気構える必要はありません。インストラクターの言葉、そして鳥のさえずりや虫の鳴き声に耳を傾けながら、次第に心が穏やかになっていく時間を堪能しましょう。

酵母菌たっぷりの禅料理とお茶をいただく

ZEN Wellnessの後は、醸造料理人の伏木暢顕シェフが手がける禅坊料理をいただきます。

料理はすべて砂糖、油、乳製品、小麦粉、動物性食品を一切使用せず作られており、調味料には1年から3年かけて作られた醸造調味料を使用。発酵が止まっておらず、酵母が生きた状態で体の中へ取り込むことができる体にやさしい料理です。

竹の葉を使用した「山の恵みのちらし寿司」は、淡路島のブランド米『鮎原米』にこんにゃくをブレンドした一品。砂糖は使用しておらず、赤酢や黒米の甘酒などで味付けされています。

そのほか煮物やお蕎麦など、素材の味を活かした料理を、ぜひじっくりと味わってみてください。

料理の最後は、7時間以上かけて作られた甘酒をどうぞ。加熱殺菌されている市販の甘酒とは異なり、発酵し続けているというから驚きです。

禅坊料理には20〜30億ほどの微生物が生きているそうで、最後にこの甘酒を飲むと腸の消化をさらに促す作用があるのだとか。

食事のあとは、好きな場所で抹茶と茶菓子をいただけます。訪れた10月の茶菓子は、ウリボウをイメージした『亥の子餅』。こちらも砂糖を使っておらず、素材の味を楽しめます。

自分で自分を癒やすために、心をこめてたてるお茶の味は格別。季節の茶菓子とともに、『ZEN 茶』時間をゆったりと楽しんで。

プログラムの合間は自由時間。自分が心地いいと思う選択を

プログラムの合間は自由時間となっており、自分の好きなように過ごすことができます。デッキで、ぼんやりと景色を楽しむのもよし。

サロンで、ゆっくり読書を楽しむのもよし。

書家・芸術家の紫舟さんの手本を見ながら、書写『ZEN 書』を楽しむのもいいでしょう。

インストラクターの茶木先生のお言葉にありましたが、「大切なのは今、自分が心地いいと思う選択をすること」。自分は何がしたいのかと内省し、好きなように過ごす時間をぜひ満喫してください。

2度目の『ZEN Wellness』では、ヒノキチップにアロマをたらした香袋を使いながら瞑想する『ZEN 香』の時間も。わずか数時間の体験でしたが、どこか頭がすっきりと冴えわたるような感覚に、確かに身も心も整えられた気持ちがしました。

チェックアウトの際には、ドライフルーツやナッツなどの手土産もいただき、4時間のプログラムは終了。

一息ついて、ただ目の前の景色を楽しむ。目を閉じて、自然を感じる。日常から離れて、そんな時間を過ごすことが、これほどまでに心身を癒やしてくれるとは思ってもみませんでした。

日々忙しさに追われている人にこそ、ぜひ体験してほしい『禅坊 靖寧』。リピーターが多いのも納得できる満足度の高さに、きっと「また来たい」という気持ちになるはずです。

満月と新月には1泊2日のイベントも開催しているので、じっくりリトリート体験をしたい方は、ぜひこちらも合わせてチェックしてみてくださいね。

禅坊 靖寧(ぜんぼう せいねい)
住所/兵庫県淡路市楠本字場中2594-5
電話/0799-70-9087
料金/日帰りプラン1人23,000円(税込)、宿泊プラン1人48,000円(税込)
https://www.zenbo-seinei.com

瀬戸内Finderフォトライター 中田優里奈

▼記事提供元

[(https://setouchifinder.com/ja/)
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