為替介入で日本は昨年外貨を最も「溶かした」国だった? 韓国は最も使わず....その理由は

昨年、韓国の外貨保有額が金融危機後14年ぶりに初めて減少したことが分かった。ドル高に対抗した為替介入によるものだが、しかし、日本を含む外貨保有高上位10カ国と比べると韓国の減少幅が相対的に少ないことが分かった。その背景には何があるのだろうか?

(参考記事:韓国紙「海外資産1位の日本の金利政策変更は世界に大きな影響」「世界的に長期金利上昇も」

9日、韓国銀行によると、昨年末基準で韓国の外貨保有額は約4、231億ドル(約55.6兆円)で、前年末(4、631億ドル)比で約400億ドル(約5.3兆円)減少した。

年間基準で韓国の外貨保有額が減少したのは2008年(-610億ドル)のリーマンショック以降で初めてとなる。

外貨保有高減少の相当部分は昨年下半期に韓国政府がウォン/ドル為替レートの急騰を防ぐために外貨市場の介入したものによるものだ。これにより、去る9月の1カ月間だけで外貨保有高が200億ドル近く減少するなど8~10月の3ヶ月間で連続して減少するなど、韓国内でも過去のトラウマに伴う危機感が高まっていた。

一方で、条件は他の国も同じだった。

ドルの独歩高などもあり、各国とも韓国と同じような対応を迫られた。その結果、2021年末基準の外貨保有高上位10大国のうち、約1年後の昨年11月末までに外貨保有高が増えた国は、原油高で潤ったサウジアラビアと外貨市場の小さい台湾だけだった。

一方、韓国をはじめとする残りの8カ国の外貨保有額はすべて減少したが、このうち韓国の減少額が最も小さかった。

外貨保有高世界1位の中国はこの期間、同保有高が1、327億ドル(約17.4兆円)減少し、2位の日本は1、795億ドル(約23.6兆円)減少した。保有高3位のスイスは2,041億ドル(約26.8兆円)減少した。

以下、インド、ロシア、香港、シンガポールなど上位国のいずれも韓国よりも減少額が大きかった。上位10カ国で最も減少額が大きかったのはスイスで、その次が日本だった。

ただし、スイスの害子保有高減少に関しては為替介入に加え、外貨資産運用で大規模な損失が発生したことによるものである。

韓国の国際金融センターが発表した報告書「スイスの外貨保有高急減の背景および示唆点」によると、「9月下旬以前のスイスの外国為替保有額の減少は、ほとんど外貨資産運用で発生した損失によるもの」であり、「スイス中央銀行が公開した投資実績によると2022年に入って外貨資産運用で第3四半期連続損失を記録」していることが確認されている。

韓国の減少額が最も小さかった理由としては、韓国も他国と同じように為替介入を行ったものの、外貨保有高に占める米ドルの構成比率が多国よりも高かったことが挙げられている。

聯合ニュースによると、韓国の外貨保有高に占める米ドルの比率は比2021年末で68.3%となっているが、同年の全世界平均は58.8%であり、韓国に比べて10%ポイント(p)ほど低い。

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