２３日に召集予定の通常国会では、今後、大幅な増額が見込まれる防衛費の問題が焦点となります。増税など私たちの生活にも直結する防衛費の在り方について、宮城県選出の与野党の議員に聞きました。
通常国会で審議される２０２３年度の予算案で、防衛費は６兆８０００億円程度と２０２２年度の当初予算より約１兆４０００億円も増えました。
更に政府は、２０２３年度から２０２７年度までの５年間の総額で今の約１．６倍に当たる４３兆円程度まで増やす方針です。
仙台市民「あまり賛成はしないですけど、（防衛費を）上げてちゃんと本当に安全とかが守られるのであれば、また別かもしれないですけどあまりそうも思えなくて」「どっちかと言ったら賛成でしょうね。今までは日本は侵略とかされてなかったですけど、これからというかずっと前からですけど、そうはいかないんでしょうね」「増税はちょっと嫌ですよね。どんどん負担が増えていっているので、戦争とかしない道を選んでほしいですけど」
防衛費の増額については、２３日からの通常国会で最大の焦点になるとみられます。
宮城６区選出で自民党の安全保障調査会長の小野寺五典衆議院議員は、北朝鮮のミサイルや台湾をめぐる問題など日本の安全保障の環境が厳しくなっている中で、防衛力強化は欠かせないと話します。
小野寺五典衆議院議員「よく、こちらが備えればかえって攻撃してくるのではないかと言う人がいるが、こちらが何もしなければ相手は何もしてこないのかと言うと、ウクライナの例を見てもはっきりわかるように、何もしてこなければ弱そうだいうことで、逆に力を使ってあのような攻撃を仕掛けてくるのが今でも国際社会の現実だとすれば、私はしっかり備えておくことが、むしろこの国の平和を保つための大事な時期だと思っている」
一方、宮城５区選出で立憲民主党国会対策委員長の安住淳衆議院議員は、防衛のために何が必要か議論を深める前に防衛費の増額が決まるのは本末転倒だと批判します。
安住淳衆議院議員「何か不安があるじゃないですか。ミサイルがどんどん飛んでくるからね。失礼な言い方かもしれないけど、そういう気持ちに付け込んで、（防衛費を）倍にと、倍にしたら安心でしょみたいなね。実体はこれからですよね中身を伴わないでただ額ありきというのは政治のやり方としては稚拙ですよね」
政府は、増税によって防衛費増額の一部の財源を賄う方針ですが、これには強い反発の声も出ています。
小野寺五典衆議院議員「財源については唐突感が出てきたのは否めないと思います。様々なご指摘のあった懸念に対して、この１年間丁寧に議論をして最終的な方向を決めてもらえれば」
安住衆議院議員は、力だけに頼るのではなく総合的に安全保障を考えていく必要があると述べます。
安住淳衆議院議員「宮城もね。中国の購買力に頼った経済というのは否定できないところもありますからね。そういう意味では、やはり外交努力を通じて安全保障というものを緊張感を高めないようにしていく。そこのところは冷静に今度の国会でしっかり議論していきたい」
