コロナ禍の青春 広島市で「二十歳を祝うつどい」~なぜ式典会場に入らない? どんな大人に?

9日は成人の日です。広島市では、「二十歳を祝うつどい」が開かれました。コロナ禍の影響で、成人の日に式典が開かれるのは、3年ぶりとなります。

会場となった「広島サンプラザ」では、あでやかな晴れ着姿の新成人らが集まり、友人との再会を喜んだり、写真を撮ったりしてにぎわっていました。

新成人
「かわいくしてもらって、よかったと思います」「うれしいの一言です」

式典には、およそ1万2000人が、それぞれの対象の区ごとに午前と午後に分かれて参加しました。

藤森憲也 記者
「式典開始まであと3分と迫りましたが、会場周辺はご覧のような状況です」

一方、空席が目立つ式典会場では、こんな思いが聞かれました。

二十歳の宣誓を行った小田涼介さん
「成年年齢が20歳から18歳に引き下げられ、18歳・19歳・20歳を迎える三世代が、一斉に成人となりました。ニュースなどでは、18歳が新成人として取り上げられ、本日、新成人として祝われるはずだったわたしたちは正直、複雑な気持ちと戸惑いを感じました」

なぜ、式典会場に入らなかったのでしょうか?

■ 空席が目立つ会場 中に入らなかった意外な理由は・・・

幼稚園が一緒だという仲良し4人組は…。

新成人
「友だちと久しぶりに会って、ワイワイしてたら、あっという間に時間が過ぎて忘れてしまった」

新成人
「この4人で会いたいと話をしていたので、待ち合わせしていたら、もう(式典が)過ぎていて」

そんな若者たちを親世代は、どう見ているのでしょうか?

父親
「(コロナ禍で)ふれあうことがなかったので、式典でお話を聞くよりは、みんなとワイワイしたいのかな」

つどいの対象者は、コロナ禍での高校生活やその後の進学・就職などを経験してきました。

新成人
「行事がなくなったりとか、受験期をはさんでのコロナ禍の時期はいろいろたいへんなこともあったけど。友だちや仲のいい子がいての今があると思っている。今、会えて、すごくうれしい」

新成人
「3年と少し遊べなかった時期があってこそ今、楽しいので前向きにとらえたい」

新成人
「コロナ禍に適応した楽しみ方とかあったので、それはそれで楽しかった」

新成人
― コロナ禍でのつどいは?
「今くらいだったら開催はいけると思ったけど、なくなったら、すごいショックだったと思います」

二十歳を迎えた人たちは、どんな大人になりたいのでしょうか?

■「スーツの似合う男に」「酒に飲まれない男になりたい」

新成人
「これ親父からもらったスーツなんです。このスーツが似合うような男になりたいです」

― 目標の大人はお父さん?
「そうです。尊敬しています」

新成人
「酒を飲んでも飲まれない成人になりたいと思います」

― 誰か見本がある?
「自分の父親が、わりと酒飲んで飲まれているタイプなので。ぼくは飲まれないようにしようと」

感謝の気持ちを誰に伝えたいか? 聞いてみました。

二十歳代表の小田涼介さん
「きょう、朝、行くときに自分なりに手紙を書いて(親に)渡してみました。感謝と、親にいろんなところで借りとしての『出世払い』がたまっていっているので、それを『ちゃんと忘れてないぞ!』と伝えた」

春から看護師として働くという彼女は…。

新成人
「母子家庭なんですけど。母が大切に20年間育ててくれたので、感謝して生きようと思います。兄にも感謝です。ことしから看護師になるので、患者さんと向き合いながら、日頃の感謝を忘れず、看護師としてがんばりたい」

母親
「人の気持ちに寄り添える優しい子どもだと思いますが、さらに精進を積んでいってほしい」

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