1月8日、静岡県掛川市で行われていた将棋の王将戦第1局。藤井聡太王将が羽生善治九段との対局を制し、初防衛に向けて、弾みをつけました。将棋界のスーパースター同士の対局に地元、掛川市は沸きました。
「王将」のタイトル初防衛に臨む藤井聡太王将と前人未到の100期目のタイトル獲得を目指す羽生善治九段の対局は、掛川城二の丸茶室で行われました。
2日目の1月9日は、羽生九段の封じ手に、藤井王将がお茶をひと口含んで応じ、対局が再開しました。32歳差のふたりの天才の顔合わせは、タイトル戦としては初めてです。
近くの会場では、大盤解説会が行われ、100人以上の将棋ファンが見守りました。この世紀の一戦に地元は沸きました。
<山口駿平記者>
「会場近くの公園では、王将戦に合わせてマルシェが行われていて、こちらには臨時観光案内所も設置されています」
マルシェには、掛川市名産の深蒸し茶や地元飲食店の味が並びました。
<掛川市内から訪れた人>
「藤井聡太くん、会えないけど気持ちだけここに持ってきた」
<県外から訪れた人>
「餃子をやっと買いました。(掛川市は)街がきれいでよいなと思っていました」
将棋の対局といえば、勝敗とともに注目されるのが「おやつ」と「昼ごはん」。藤井王将のお昼は、初日が「掛川牛の麻婆豆腐」、2日目は「しあわせの青い玉子のオムライス」。羽生九段は、初日が「遠州黒豚と掛川野菜のトマト煮込み」、2日目は「浜名湖産のうなぎ」でした。
そして、おやつは午前と午後に1回ずつ。8日、藤井王将は午前のおやつに「火の羊羹」三種を選び、羽生九段も午後同じ物を選びました。「火の羊羹」を提供したのは、創業131年の老舗和菓子店。三種の羊羹はゆず蜂蜜、掛川茶、本練で見た目も美しい逸品です。
<影島亜美キャスター>
「掛川茶の風味が口いっぱいに広がってとてもおいしいです」
全国から問い合わせが殺到していて、9日は150本用意していたものが、開店から1時間半で完売しました。
<伊藤菓子舗 伊藤光男店主>
「最初に藤井王将からご注文いただいて、羽生九段からまた注文をいただいてびっくり。あらまという感じ」
全国の将棋ファンはもちろん、地元・掛川を熱く盛り上げた王将戦。対局は午後6時前に終わり、91手で20歳の藤井王将が経験豊富な羽生九段を制しました。
<藤井聡太王将>
「(羽生九段が)こちらが予想していない手をさされることも多く、(私には)ないものを持っていると感じた」
<羽生善治九段>
「気持ちを切り替えて、次の対局に集中していけたらと思う」